11月21日(木)に「何かはじめたい人のためのtenten cafe」を福島市の文化堂ビルで開催しました。せっかく福島にいるから何か始めてみたい！でも何から始めたらいいのか…という方のために、福島で活動しているゲスト2名を迎え、どのように地域での活動をスタートさせたのか、つながりゼロから地域に根ざした仕事をするまでの実体験をお話ししてもらいました。

今回は福島市、川俣町、飯館村、白河市から11名の方が参加してくれました。まずは恒例の自己紹介からスタート。それぞれが抱える悩みや夢をシェアして、すでに活動を始めている方やこれからの一歩を踏み出そうとする方々の熱い思いが感じられました。

最初のゲストは宮城県出身のイラストレーターで防災士のico.さん（物江麻衣子さん）。フリーランスとしての活動は13年目になり、これまでに企業広告や雑誌の挿絵、行政の観光PRイラストなどを手掛けてきました。最近では、防災士イラストレーターとして、自身の被災経験をもとにイラストを通じて防災啓発活動にも取り組んでいます。
物江さんは「東京じゃなくても仕事はできる」と地方での働き方について語り、地域とのつながりの重要性を強調しました。2019年の豪雨被害を経験した際に地域の方々の会話から、浸水してしまった自宅付近は過去にも同様の被害があったことを知り、地域を知ることやご近所付き合いの大切さを実感したそうです。
市政だよりやリビング新聞、パンフレットラックから地域の情報を得たり、行きつけのお店の店主が人と繋げてくれたり、tentenと防災ワークショップを共催したのがきっかけで防災関連の仕事が急増したエピソードも話してくれました。
さらに「よそ者視点や過去の経験はプラスに変えられる。自分は何をやっているのか、何ができるのかを発信することで新たな機会が広がる」と、参加者に向けてエールを送りました。「分からない面白さを面白がって欲しい！」と語る物江さんのメッセージは、参加者にとって大きな刺激となったようです。

二人目のゲストは川俣町出身で福島市在住、かわまたまちラボの酒井茉莉さん。会社員として働きながら、6歳と3歳のお子さんを育てている酒井さん。川俣町山木屋地区での小麦やライ麦の栽培を行う「ヤマキヤダーチャ」の活動をはじめ、農業マルシェイベント「かわまたハーベスト」の企画・運営、さらには地域の学びの場を提供する「かわまたまちラボ」の立ち上げなど、ライフワークとして町の暮らしを楽しむ活動をしています。
畑も機械も知識もない農業初心者だった酒井さんが、どのようにライ麦栽培を始めたのか、どうやって農家さんや地域の方との信頼関係を築いたのかを皆さん興味津々で聞いていました。
「この町が好き！」という思いから、「みんなで町の暮らしを楽しみたい！」だから「ほしい暮らしを作る」。そうすると「仲間と出会って」また「この町が好き！」というモチベーションのサイクルになっていると話してくれました。外に発信することが大事と語る酒井さん。毎回共感や応援があって活動に繋がってきたそうです。農家さんの温かさや魅力を地域の人に知って欲しいと思い活動を続けていると教えてくれました。
「完璧を目指すのではなく、自分はポンコツでいい。むしろその方が人を頼ることになって、結果人を巻き込むことにつながっています。」という酒井さんの前向きで謙虚な姿勢に、参加者も共感し、「川俣に行ってみたくなりました！」と話してくれた参加者さんもいました。

お二人のお話を聞いたあとは質問タイム。
栽培したライ麦を使ってくれるパン屋さんはどうやって探したのかという質問に、「自分でおいしいハード系パン屋さんを調べて、直接売り込みに行きました」と答えた酒井さん。「ダメもとでアタックしてみたら、意外とみんな協力してくれて嬉しかった」と笑顔で振り返りました。物江さんも「まずは地域の方が何を求めているのかを知ることが大事」と話し、自分には何ができるのか発信しておくことや、出会いのきっかけをストックしておくことなど、お2人とも“自分から動く”ことの大切さを語ってくれました。

最後に参加者の皆さんからの感想を紹介します！
「物江さん、酒井さんの話を聞いて、自分も何かを始めたいという気持ちが高まりました。地域とのつながりの大切さを再認識しました。」
「ゲストの2人はもちろん、参加者の皆さんも素敵な方ばかりだった。何かやりたいな、と思っている方が集まるとエネルギーが高く、面白いですね。」
「自分の考えがまとまり、改めて自分がしたいことが見えました。」

実際に地域で活躍するお2人の話を聞いて、私もがんばろう！何かやりたい！など皆さんの背中を押せたとても濃い会になりましたね。今回のtenten caféが福島で一歩踏み出すきっかけとなっていたら嬉しいです。こんなことをしてみたいんだけど、どうしたらいい？など何かご相談があればtentenにご連絡くださいね！