福島県も助成が出る!認知の少ない「産後ケアサポート」をもっと活用してみよう!
出産はとってもお母さんの体の負担が大きいですよね。それでも1週間前後で退院しないといけません。体調がまだ万全ではなく、育児についての不安もあるかと思います。もう少し誰かに頼ってカラダだけでなくココロも休めたい、そんな時に頼りになるのが「産後ケアサポート」です。
私も、産後ケアについては芸能人がホテルみたいな病院でケアを受けていたり、名前を雑誌などでみたりしたことはありましたが「どうせ都会にしかまだないものでしょ」と思っていたらなんのその!ちゃんと福島でも産後ケアが受けられるのです!
「頼れる人が少ない福島で安心して妊娠・出産・子育てができるのか?」そんな不安を少しでも減らすために、私も妊娠中から知っておきたかった「産後ケアサポート」を実際に受け、福島県内でも転入女性が多い福島市、郡山市、いわき市での事業について調べてみました。
産後ケアサポートって何?
福島県の産後ケアサポートは
・産婦の健康状態チェック、乳房のケア
・乳児の健康状態、体重、発育等のチェック
・育児のサポートでは授乳指導、沐浴指導 などです。
産院ではゆっくり聞けなかったことを改めて相談できるのは初心者ママには本当に心強いですよね!
滞在にも「ショートステイ(宿泊)」と「デイケア(日帰り)」の2パターンがあり、お母さんと赤ちゃんの体調に合わせて選べます。宿泊だと退院後間もなくや、旦那さんが出張で家にいない日など、赤ちゃんと二人では不安な時に安心して夜を過ごせるのではないでしょうか。
まだまだ認知が少ない産後ケアサポートですが、自治体で助成の取り組み始まったのはつい2年ばかりのことだそう。
きっかけは震災後、困っている産婦たちを助けようと県で始めた事業だったそうです。他県でも産後ケアサポートを実施しているところも増えましたが、福島県でもバッチリ受けることができます。とってもありがたいですね。
産後ケアサポートを「すかがわ助産院きずな」で実際に受けてみました!
私の娘の体重は基準よりかなり少なく、以前より保健センター相談し、今回一度きちんと1日状況を見てもらったほうがいいということからデイケアサポートを受けることにしました。その流れをまとめました。
- 保健センター・保健師さんへ相談後、申請書の受け取る
- 利用施設へ予約状況確認・仮予約
- 「産後ケア事業利用申請書」を保健センターへ提出(今回は提出から利用日まで時間がなかったため、利用決定通知書の発行前に了解を得ました)
- 利用施設へ本予約
- 利用時に自己負担額を施設へ支払い(本来は「産後ケア事業利用決定通知書」を利用施設に提示)
玉川村では県助産師会の施設、隣町・須賀川市の公立岩瀬病院の利用が可能です。
利用料金の9割を村が助成し、1割を自己負担金として支払います。今回は助産師会施設の日帰り利用のため1日1,600円の支払いでした。
ごく普通の産院で出産した私。助産院へ行くのは初めてだったので、ドキドキそわそわしながらお伺いしました。今回お世話になったのは「すかがわ助産院きずな」。
持ち物は事前に電話で確認し、外出時持ち歩いているおでかけセットで行きました。
助産師の横田さんとは一度、村保健センターが実施しているすくすくクラブで講師としてお会いしていたので、安心してお願いすることができました。
着いてすぐ、施設の説明と「とりあえず落ち着いてね」と、お茶を飲み娘の状況を話しながら一服。
その後体重測定、授乳相談などを行いました。
産院にもよりますが、きずなでは利用料金内でお昼ごはんが出ます!
本当に久しぶりに人が丁寧に作ってくれたごはんを味わうことができました。
会話が成り立つ相手と一緒に喋りながら、ゆっくり食べられることがとても嬉しかったです!
自分が作ったものも美味しいですが、作ってもらった料理ってとても体だけでなく心にもしみますよね。「先日利用された方も自分以外で作った料理食べるのは久しぶりで美味しい、と言っていたわ」とのこと。娘の面倒を見ながらだと簡単なものばかりになり、急いで食べるということが多くなりがち。なにより、何もしなくても食事が出て、片付けまでやってもらえる喜びはひとしおです!
食後、まだ娘が寝ていた為「見ているから別室で休んでいいよ」と促されベッドのある部屋へ。宿泊の場合はこちらで過ごします。
日頃なかなかできない本でも読もうかと思ったものの、ベッドに横になったらすぐに寝入ってしまい気付いたら夕方でした。娘を見ていてもらえているという安心からか昼寝で熟睡!自分でもビックリでした。
時折遠くから横田さんが娘へ子守唄を歌っているのが聞こえてきました。私の寝ている間にベビーマッサージをしたり、娘が哺乳瓶慣れをあまりしていなかった為、様々な哺乳瓶でミルクを飲ませてみたりしてくれていたようです。
起きた後、私が休んでいる間の状況説明も丁寧にしてもらえました。
最後に自己負担金をお支払いして終了です。利用時間は10時から寝すぎて少しオーバーしてしまいましたが16時半でした。
サポートケア実施後は保健センターからのフォロー電話もあり、今回受けてみて本当に良かったと思いました。また、玉川村では生後6ヶ月以上だと対象外になりますが、状況によっては必要な人はサポートを受けられるとのこと。私の場合は、娘の体重増加が順調に進まなかった場合可能と言われました。
「産後ケアサポート」を福島市・郡山市・いわき市で受ける場合について調べてみた
私も産後ケアサポートを受けられるのかな?と思った方へ、ここから移住される方も多い福島市・郡山市・いわき市の利用条件・利用施設などを比較、ご紹介していきます。
各市ごとの情報をまとめてみたい場合は、市名と引用にリンクが貼ってありますので、そちらをご覧ください。
利用条件と期間について
各自治体で対象条件と対象期間は違うので、それぞれの自治体に確認が必要です。里帰り出産の場合は、福島へ戻ってきた後に産後ケアサポートを利用できます。
▶福島市
・住民票が福島市にある方
・お母さんの体調や育児に不安がある方
・ご家族などから十分な産後の援助が受けられない方 など
・対象期間は利用施設によって異なる
福島県助産師会:産後6か月未満のお母さんとお子さん
福島赤十字病院・大原綜合病院:産後2か月未満のお母さんとお子さん
明治病院:産後1か月未満のお母さんとお子さん
▶郡山市
下記の全てに当てはまる、お母様と原則生後6か月以内のお子様
・郡山市に住民票がある方
・お母様の体調や育児などに不安がある方
・ご家族などからの援助が受けられない方
・医療行為が必要でない方
▶いわき市
・いわき市に住民票のある、おおむね生後4か月未満の赤ちゃんとママ
・産後の疲れや育児に不安を感じていたり、ご家族などから産後の家事や育児等の支援が受けられない方
私の住む玉川村でも利用施設によって対象乳児の月齢が違いました。同じ福島市でも明治病院の1カ月から助産師会の施設は6カ月まで差はとっても大きい…少しでも何かあったときのために少しでも長い期間頼れると嬉しいですね。
産後ケアサポートが受けられる施設と自己負担額について
利用できる施設と自己負担額
調べてみると3市とも市内に産後ケアサポートを実施している施設があります。
各市によって、市内の施設利用時のみが助成が受けられる場合や、市外の施設でも助成対象の施設がある場合など、ばらつきがあることがわかりました。
助成対象の施設や自己負担額も、市や施設によって異なりますので参考にしてください。
私の住んでいる玉川村のように村内に産後ケアサポート施設がないところは、村外の施設を利用するしかありませんが、住まいの近くに施設があると利用しやすいですね。
※福島市では福島市外でも、助成を受けた金額で利用できる施設があります。福島県助産師会でショートステイのみ実施している施設もあるため施設名と地域を記載しています。
■ショートステイ(宿泊)
・福島赤十字病院
・大原綜合病院
・明治病院
自己負担額:1泊2日7,000円、3日目から1日3,500円
・会津助産師の家 おひさま(猪苗代町)
・中嶋助産院(南会津町)
・かしわ助産院(西郷村)
・すかがわ助産院 きずな(須賀川市)
自己負担額:1泊2日7,000円、3日目から1日5,000円
■デイケア(日帰り)
・福島赤十字病院
・大原綜合病院
・明治病院
自己負担額:1日1,000円
・ふくしま助産所(福島市)
・もみじ助産院(郡山市)
・会津助産師の家 おひさま(猪苗代町)
・中嶋助産院(南会津町)
・かしわ助産院(西郷村)
・相馬助産所(相馬市)
・こみゅーん助産院(いわき市)
・すかがわ助産院 きずな(須賀川市)
自己負担額:1日1,500円
■ショートステイ(宿泊)
・寿泉堂綜合病院
自己負担額:1泊2日4,500円、3日目から1日4,000円
・総合南東北病院
自己負担額:1泊2日4,000円、3日目から1日3,900円
・岡崎産婦人科
自己負担額:1泊2日3,700円、3日目から1日3,100円
・星総合病院
自己負担額:1泊2日4,000円、3日目から1日3,300円
■デイケア(日帰り)
・寿泉堂綜合病院
自己負担額:1日 2,500円
・総合南東北病院
・トータルヘルスクリニック
・もみじ助産院
自己負担額:1日 2,000円
・星総合病院
自己負担額:1日 1,900円
・岡崎産婦人科
・古川産婦人科
自己負担額:1日 1,500円
■ショートステイ(宿泊)
・こみゅーん助産院
自己負担額:1泊2日7,000円、3日目から1日5,000円
・村岡産婦人科医院
自己負担額:1泊2日3,000円、3日目から1日3,000円
■デイケア(日帰り)
・こみゅーん助産院
・村岡産婦人科医院
自己負担額:1日500円
福島市は県内の助産師会施設を市の助成を受けた金額で利用できるため、里帰り先が福島県内ならば里帰り先から近いところの施設利用もできるので利用しやすいですね。
利用回数制限について
産後の体調も人それぞれですが、できるなら長い期間、そしてたくさん頼れるとありがたいのですが、利用回数にも制限があります。
▶福島市
■ショートステイ(宿泊)
母子1組につき合計7日間まで(1泊2日は2日間と数えます)
■デイケア(日帰り)
母子1組につき合計7日まで
▶郡山市
■ショートステイ(宿泊)
原則7日間まで(1泊2日は2日間と数えます)
■デイケア(日帰り)
原則7日間まで
▶いわき市
■ショートステイ(宿泊)
1組の親子で合計7日間まで(1泊2日は2日間と数えます)
■デイケア(日帰り)
1組の親子で合計3日まで
利用方法について
産後ケアを受けてみたいけれども市町村が利用料を助成してくれている分、手続きが面倒なのではと思いますよね。それぞれの自治体の申込方法を調べてみました。
1.出産後、利用の申込み(申請)を受け付けます。利用希望日の概ね2週間前から利用希望日の3日前(土日・祝日を除く)までにこども政策課窓口に申請してください。電話でも受け付けます(必要事項の確認・利用申請書等の案内をします)
2.産後ケア利用申請書(兼減免申請書)を記入、提出します。
3.利用決定後、申請者に電話で連絡がきます。また、利用承認通知書を送ります。
1.産後ケア事業利用申請書に必要事項をご記入の上、郡山市こども支援課母子保健窓口(ニコニコこども館2階)又は各施設へお申込みください。
1.お住いの地区保健福祉センター健康係もしくは利用施設へ相談後「産後ケア事業利用申請書」を担当地区保健福祉センターへ提出してください。
2.担当地区保健福祉センターで利用の決定後、利用日の予約をします。
3.利用時に「産後ケア事業利用決定通知書」を利用施設に提示し、自己負担額を施設へ支払い。
まとめ
今回、福島市・郡山市・いわき市を調べてみましたが、3市だけでも違いが大きいことに驚きました。産婦さんを対象としているため、利用期間が短い産後ケアですが、頼れる人が周りにいないと無意識に無理をしがちな時期です。私も今回利用するにあたり「こんなことで悩んでいる」と発したことで村内外に気軽に相談できる人が増え、気にかけてくれる存在ができたことは大きなことでした。助産院利用の帰り際に「本当に頑張っているお母さんたちが多いから1泊でゆっくり休みに来てくれたらいいのに」と横田さんがポツリ。私自身も思っている以上に気を張って、頑張っているのかもしれない、と改めて思いました。産後すぐに受けるのもいいとは思いますが、悩みがたくさん増えた・疲れも溜まったある程度経った時期に受けるのもオススメです!
産後ケア以外に、もっと大きな児童を対象とした子育ての不足を補う援助「ファミリーサポート」家庭訪問型子育て支援「ホームスタート」など様々なサポート体制がある自治体もあります。また福島県助産師会が行っている「子育てサロン」への参加もおすすめです。参加費無料で、いらっしゃる助産師さんたちはとてもチャーミングで楽しい方ばかりですよ!福島県としても妊産婦に関する調査アンケートを実施しており、回答内容からこころと身体にケアが必要と判断された人にはフォローの連絡がくるんだそう。各サポートは自治体ホームページに記載されていますが、年度によって内容が変わることもあるので、お住いの役場や保健師さんへ直接問い合わせてみてください。