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台風で避難勧告・避難指示が出た!転入女性の避難体験談② ~自宅で垂直避難した方のお話~

郡山市

令和元年10月12日夕方から未明にかけて福島県をはじめとする東日本を襲った台風19号。郡山市の被害も甚大で、大雨や川の氾濫による冠水被害がありました。
被害の大きかった地域では、学校の復旧にも時間がかかり2ヶ月近く市内の別の学校へ通学していました。
市内には川もあり、高低差もある郡山市。水害は身近にあります。
自分の住まいが冠水の危険がある場合には、どのような対策をとったらいいのか?避難する際の判断基準はどのように決めたらいいのか?
転入者で土地勘もない場合はさらに不安も大きいかと思います。
今後の防災の参考にしていただきたく、実際に床下浸水の被害があった地域にお住いの転入女性に当日の経験やこれまでの災害時の対策をお伺いしました。

▲今回お話を伺ったのは、千葉県出身の内海由佳さん。郡山市へ転入して10年以上。現在は郡山市内に家を構えて定住。単身赴任中の旦那様と3人のお子様(大学生、高校生、小学生)がいらっしゃいます。今回の台風の以外にも、東日本大震災で被災。また、ゲリラ豪雨などによる床上浸水を郡山市に転入してから経験しています。

浸水の危険がある地域での事前対策と普段からの心がけ

―台風対策として事前に行ったことはありますか?

(内海)今回に備えてというよりは、日頃から回転備蓄(日常的に使いながら使った分だけ買い足して備蓄する)の考え方でいます。食料品に関してはあえて何か特別な事はしていません。飲料水、缶詰、乾物など普段から使い慣れているもの、食べ慣れているものを常にストックしている状態にしています。そうすることで状況が非常時であっても、食べるものが日常と同じにできるようになっています。そのことが精神的安定につながると感じていますね。

―回転備蓄ですか!初めて聞きました。非常時に限らず、常日頃から備蓄をしながらその食料品を使い、新しく買ったものを備蓄するのですね。使いまわしていれば賞味期限なども新しいものが備蓄になるので、安心ですね。何日分くらいを回転備蓄としているのですか?

(内海)2~3日分くらいですかね。缶詰、乾物のほかには冷凍保存できるものも備蓄しています。納豆やきのこも冷凍保存できるんですよ。

―納豆も!冷凍保存も合わせれば、非常時でもいつもと同じ食事ができますね。

(内海)「食事ができない、いつもと違う」というのは、大きなストレスになると思います。いつも食べていないものを急に買いだめしても、食べなかったり、逆に備蓄する前に手を付けてしまったりとかもあるし。非常時こそ普段通りの食事をすることで、安心できたらいいのかなと思います。

台風当日。単身赴任の旦那様と連絡を取りながらの浸水対策

―これまでもゲリラ豪雨などで浸水被害があったということですが、台風当日はどのように過ごしましたか?

(内海)シャッターを閉めてじっとしていました。土嚢もありましたが、重くて動かせないので不使用。止水板(※)は車庫から車を高台へ動かした後に使用しました。でも期待はしてないです。水かさが増すと結局我が家の止水板の場合、止水板ですら流れていくので。車の避難場所は、歩いていける距離の高台に空き地があるのでそこへ。近隣の方もそこへ車を避難させる方が多いです。

※止水板・・・水が浸入するのを抑える板のこと。家庭用から地下駐車場の入り口に設置するものなど、素材、形状で様々なタイプのものがあります。

流れとしては10/12(土)20:30 ごろ車を高台へ移動→21:00 水回りが逆流(ゴボゴボいう)し始めたので、1階の地べたにおいてある物優先で 2 階へ荷物を運ぶ。テレビや洗濯機のコンセントを抜く。という感じでした。その間、単身赴任中の主人と連絡をとりながら、いまするべきことを確認していました。

―旦那様と連絡を取り合いながら台風の対策をされていたんですね。

(内海)不安や焦りから冷静な判断をしづらくなるので、主人から「いま何をすべきか」「どう行動すべきか」とアドバイスをもらえるのは心強かったです。

―車のみを高台へ避難させたのですね。ご自身の避難はされなかったのですか?

(内海)自宅は2階がありますが、駐車場は低いままなので……ゲリラ豪雨の時も車は高台へ避難しています。近所の方も車を避難させていましたね。私は自分の生活範囲しか水の溜まりやすい場所がわからないので、台風情報を確認しながら、とにかく自宅でじっとしていました。自宅 2 階へ避難するつもりでした。浸水ハザードマップを見ればある程度、危険区域はわかりますが、郡山市内は、普段は「低くて水が溜まる場所」かどうか見た目ではわからない場所が多々あるので、むやみに動かないほうがいいかなと考えて。子どもの学校週辺や行動範囲の場所についても浸水や災害の危険があるか把握しておくと、非常時に対応しやすいと思います。

―情報収集は何を参考にされていましたか?

(内海)雨雲レーダー、浸水ハザードマップ防災こおりやまツイッターが災害時の情報収集としては一番早いかなぁと思い、常にチェックしていました。あとは、窓から周辺の様子をうかがっていました。

―情報の更新が早いところで状況を把握するのですね。どのタイミングで車を避難させたり、2階へ荷物をあげたのですか?

(内海)これまでの経験で、外に水が溜まり始めると水回りが逆流(ゴボゴボいう)し始めるのを知っていたので、それを目安の一つにしました。逆流するときは、排水できなくなってきているんですよ。ただ、逆流しないときもあるので、周囲の状況と合わせて判断しないといけません。車を移動させるタイミングも雨雲レーダーを見たり、近所の方の車の避難の様子を見たりしながら決めました。「これ以上強い雨が続くと、車を高台へ避難させないと危ないな」という感じで。水が上がり始めるとあっという間なので(この台風では30分ほどで水位がかなり変わりました)、早めに避難するのが大事なんだと、今回で改めて実感しました。

1階の荷物に関しては、地べたにあるものを優先的にと考えていましたが、全部は無理だし、重さや大きさで物理的に難しい物もあります。なので、1階の地べたにあるものの中でもさらに選別を行って2階に上げました。

<2階にあげたもの>
・お金で買えないもの(アルバムなど)
・貴重品(パスポートなど)
・高価なもの
・避難する時に必要なもの(靴、上着など)

お金で買えないもの、貴重品はカバンや箱にまとめてすぐに動かせるようにしています。ダメになってもお金でどうにかできるものと、お金で買えないもので優先順位をつけました。こまめに主人と連絡を取り、状況に合わせて「今は何を2階へあげたらいいのか」をその都度相談して、決めて動いていましたね。主人は単身赴任、長男も県外へ出ているので、次男と一緒に2階への避難準備をしました。小学生の三男は寝ていてくれたので、かえって動きやすかったです。

床下浸水の被害。台風後にやったことは?

―台風での実際の影響はどうでしたか?

(内海)床下浸水でした。室内への浸水もなかったので一安心でしたね。車も無事でしたし。

―台風後にやったことはどのようなことですか?

(内海)片付けの前に、どこまで水が来ていたのか分かるように写真を撮りました。今回は床下浸水だったので、外壁回り、床下(室内から床下換気口を開けて)の写真ですね。

▲実際に内海さんが撮った写真。泥や汚れの跡が残り、どこまで水がきたのかわかります。

それから、市へ罹災証明の申請です。今回、郡山市はインターネットでも申請できたので、そんなに手間もかかりませんでした。

―罹災証明の申請を受けて、市役所の方が現地確認へ来たのでしょうか?

(内海)そうですね。被害の大きかったところは、市役所の方から先に確認にくることもあったようですが。私のところは申請後に来てくれました。この時に、撮っておいた写真で被害状況の説明と確認をしました。写真があれば片付けや掃除の後でも、被害を正確に伝えられます。

―片付けはどうしましたか?

(内海)家の中は2階にあげた荷物を降ろして、通常の配置へ戻しました。外は泥を水で流したり、ごみを片付けたりしました。床下の掃除や消毒は、上がってきた水がどのような水なのかわからないので、ハウスメーカーへ問い合わせをして業者にお願いするようにしています。市でも消毒用の薬剤を配ったりしていますので、それを使う方もいらっしゃいます。

東日本大震災、台風やゲリラ豪雨などの自然災害を経験しての教訓

―内海さん東日本大震災、台風やゲリラ豪雨などの自然災害を経験していますが、その経験から得た教訓は何でしょうか?

(内海)断捨離ですね。不要なものは家に置かない。1 階のものを 2 階に上げる際に優先順位を決めるとなった時に、物が多いと優先順位をつけて判断するのが大変になるので。後片付けも大変だし。冷蔵庫の中も整理しておくと、避難することになっても食材を無駄にしなくてすむんじゃないのかな。

―常日頃からの準備が大事なんですね。

(内海)災害には慣れているはずなのに、非常時は頭がいっぱいになっちゃうんですよね。なので、備蓄や荷物の整理は常にやっておいた方がいいと思います。私は東日本大震災の後、一時的に実家の千葉県へ避難したんです。「もう郡山市へは戻ってこれないかもしれない」というのを想定して荷造りしました。その時に「お金で買えないもの」を詰め込んだBOXも作って。そのBOXは今でも残して、いつでも持ち出せるようにしています。

―非常時は考えることもやることもいつもと違いますものね。

(内海)そうなんです。子どもが小さかったりすると、子どものお世話もあったりするのでしょう。非常時の準備や備えは、なるべく普段からやっておく。そして、災害時にはその備えを使って、時間を有効に使えるのことも防災になるのではないでしょうか。

―他にやっておいてよかったことはありますか?

(内海)地域や近所の方との交流です。転入者で近隣に親戚もいないですし、うちには子どもがいるので、地域の方とのつながりは何かの時のためにもあったほうがいいと思います。近所の方に顔を知ってもらっていることで、非常時にはお互いに声をかけやすくなりますし。子どもがどこの家の子なのか、反対に子どもも近所の大人の人は誰なのか把握できます。もし、自分が家に不在の時や子どもと離れた場所で被災しても、知っている大人がいると安心です。

―地元の方でないと分からないことも多いですし、地域の方とのつながりがあると心強いですね。内海さんのご自宅は浸水被害が多いとのことですが、自宅を購入する際はどのように考えていらっしゃいましたか?

(内海)家を決めた時は、その周辺は浸水被害がなかったんです。家探しの時も近所の方は「何十年とすんでいるが、水があがったりしたことはない」とおっしゃっていました。東日本大震災後からかなぁ。ゲリラ豪雨などで水があがるようになりました。

―最近になってからの浸水地域なんですか。全国的にも局地的な大雨などで被害が増えてきていますものね。

(内海)「ゲリラ豪雨」も近年になってから、よく聞くようになりましたからね。それに、郡山市内も新しい住宅地、店、道路など発展を続けているので、地域の環境の変化と共に水の溜まる場所も変わっているのかもしれません。

―浸水対策として市でも排水機能の強化などに取り組んでくれていますよね。

(内海)将来の変化はわからないので、市の浸水対策と共に、自分で災害に備えてできること普段から行うことが大事なのかなと思います。

*郡山市の防災や水害対策については以前記事にしています。ぜひご覧ください。
「もしもの時は大丈夫!?郡山市の水害防災対策について調べました!」

まとめ

いつ、どのような災害が起こるかはわかりません。常日頃から災害に対しての備えや準備をすることが大切なのだと感じました。非常時は情報収集や安全の確保など、考えることもやることもたくさんあります。普段から防災の対策をしておけば、非常時でも慌てることなく行動できるのではないでしょうか?
我が家には幼い子どもたちがいるので、「食べるものがない、荷物をまとめるのが大変」など直前で焦らないよう準備しておきたいと思います。そして、精神的にも安定した状態で冷静な判断ができるように、家族をしっかりと守れるようにしておきたいです。
皆さんも参考にしてみてください。

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