インタビュー

tentenインタビューvol.10 吉川みゆきさん~新卒で単身福島県へIターン!逆境を活かしたカレー屋事業のリーダーとして奮闘中~

県中
郡山市

バリバリ働く女性に転勤はつきもの。福島県へ単身転入してきた方の中にも、ご自身の経験をもとに精力的に働いている女性がいます。Iターン移住者の吉川さんは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けながらも、留学や一人暮らしの経験をもとにして、カレーの新事業の立ち上げを担っています。
そんな彼女が、なぜ福島に来て、なぜカレー屋をすることになったのか、どんなカレー屋なのか、伺ってみました!

▲吉川みゆきさん。岐阜県下呂市出身。飛騨高山の自然に囲まれて育つ。食べることが大好きで、美味しいものと出会えそう!という直感から、大学4年目を休学し福島で半年間インターンをしました。スリランカへの交換留学やインドへのヨガ留学、就活の時期も福島のつながりに助けられ、入社直前で内定を辞退し単身福島にIターン。現在は、株式会社エフライフでカレー屋「with curry」の事業リーダーとして、クラウドファンディングに挑戦中です。

「福島」との出会いは休学中の長期インターン

吉川さんが福島県に初めて来たのは大学4年目の春。
同年の秋にスリランカへの交換留学を控え、空白の半年を福島でインターンに参加して過ごすことにしました。
数あるインターン先の中から福島を選んだのは、現在の職場である株式会社エフライフの事業に魅かれたことがきっかけだったそうです。エフライフは福島県の「人」、「食」、「酒」を盛り上げる様々な事業を展開しています。
当時、福島の地酒とおつまみをセットにして毎月全国へ送る通販「fukunomo」が事業の1つにありました。吉川さんが説明会に参加した時期はその事業を土台に、福島の食材セットとレシピが届き、家庭で本格的な料理を作ることができるミールキット事業を計画していました。

「食べることが大好きで、数あるインターン先の中から食品や飲食に関係する会社にしようと2社に絞って説明を聞き、気になったのがエフライフのミールキットの事業でした。みんなでご飯を食べるっていいよねと、社長と盛り上がりました。」

いきなり長期インターンに行くのも不安があり、まずは復興創生インターン(復興庁が主催の学生を対象にしたインターン事業)に参加し、エフライフで3週間のインターンを経験。その期間に福島の美味しいもの、それを作る生産者にたくさん出会いました。

「インタビューの同行で訪問した会津若松市の佐藤忠保(ただやす)さんのとろねぎが美味しくて。ねぎにかける熱い思い、愛情にも触れました。」

まだまだ福島の美味しいものを知りたい!という気持ちで長期インターンを決めたそう。半年間のインターン生活で、さらにたくさんの人、食べ物、日本酒との出会いが待っていました。

「これまでにないくらい真剣に自分と向き合う中で、つらい時期もありました。しかしそれ以上に学びは大きかったです。生産者さんと一緒に農作業をしたり、仲間と協力して事業を作り上げたり、みんなでごはんを囲んだり、貴重で幸せな経験をたくさんさせてもらいました。」

他にも、大変なこともある中で、仕事を心から楽しんでいる働く大人に会うこともできました。

▲インターン中に訪問した会津若松市の生産者 佐藤忠保(ただやす)さん(写真中央)

決断のIターン

福島での充実したインターン生活を終え、スリランカへ交換留学した吉川さん。帰国した直後の3月に就職活動を迎えます。「自分が良いと思ったものを伝える仕事」を軸に就職活動をし、静岡県熱海市のケーブルテレビ局を受けました。 テレビだけにこだわらないメディア展開、地域創生を行いその土地を元気にするという部分にひかれたのだとか。

大学卒業と就職控えた翌年2月、春休みにインターン先だったエフライフから依頼を受けてライターの仕事をしていました。制作物も納品し、これで福島ともお別れかな、と思っていた矢先、社長からエフライフへの入社の打診を受けることに。予想もしなかった提案に、宇都宮から引っ越すギリギリまで悩みに悩むことになります。

「先に頂いていたテレビ局の内定は、かなり納得感がありました。だからこそ、福島に来るかどうか本当に相当迷ったんです」

福島で働きたいという気持ちは元々あったものの、全く知らないテレビの世界に飛び込んでみたいという気持ちもあり、自身の働きに期待してくれているテレビ局の先輩社員のことや様々な要素が頭に浮かんでは消えていきました。
大学の友達、地元の先輩、ご両親、たくさんの人に相談して考えることになりました。反対されたり、怒られたり、応援されたり、励まされたり、たくさんの言葉をもらいました。

「自分の気持ち、お世話になった方への礼儀、将来のキャリア、仕事内容。考えに考えましたが、最後はシンプルに『どっちに行ったら、最後まで頑張りきれるか』を軸に決断しました。どこで働いたとしても、辛いことはあると思ったからです」

エフライフへの入社を決断をしたのは、3月半ば。そこから急遽準備をして、自分の意志で選んだ福島に移り住みました。

「インターン時代、生産者さんなどのお世話になった方々は、なにもできない私のことを、本当に温かく迎えてくれました。そのときにお世話になった方に恩返しをしたいという気持ちが、今もずっとあります。」

▲インタビューを受ける吉川さん

コロナ禍で何もできない、その中で始めたカレー屋事業

エフライフに入社して待っていたのは、コロナ禍で3密を避けなければいけないという世の中でした。福島県にも新型コロナウイルスの感染者が出たことで、自身の担当予定であったコミュニティキッチン事業と飲食店事業を休業しなければいけない状況となります。

「Webの更新などの業務はありましたが、自分がメインで関わるはずの事業がおやすみに。そのときは、これからどうなるんだろうという気持ちになりました」

先の見えない状況に不安を抱えていたのは、郡山市の他の飲食店も同じ。そんな中ご縁があり舞い込んできた相談に、社長が「カレー屋をやりましょう!」という提案をします。それを聞いたとき、「カレーだったら私がやりたい!」と即座に吉川さんの心が動いたのだとか。交換留学で滞在したスリランカ、ヨガ留学で訪れたインドでの生活を通して、スパイスカレーは身近で大切な料理になっていました。

「大好きな福島の食材を使ったカレーで、老若男女を元気にできると感じました。どんな食材も包み込み、どんな食文化の人でも美味しく食べられるという包容力。スリランカとインド留学中に毎日食べても飽きなかった、季節や体調、体質に合わせたスパイスのカレーがおうち時間を幸福にするぞと、考えるほどにしっくりきました」

コロナ禍で新たな生活スタイルが求められる状況だからこそ、これまでの枠組みを超えてどんな人にも寄り添うカレー屋にたどり着けました。

「状況にネガティブにならずに、ピンチはチャンスと見るようにしました。何か行動を起こすのか、どんな行動を起こすのか、結果がどうなるのか、そしてそれをどう受け止めるのか。それで全部変わってくると思うんです」

▲スリランカで食べていたというスパイスカレー。種類も豊富!

ひとりにさせないカレー屋「with curry」って?

「with curry」のコンセプトは、栄養満点、地産地消、ひとりでご飯を食べる時間も寂しくさせないテイクアウトメインのカレー屋さん。どれもご自身の経験から、アイデアを得たものだそう。
福島県の中通りに位置する郡山市では、毎年「郡山ブランド野菜」を生産者さんが作っています。数百種類の品種から美味しさ、栄養価などを吟味して選ばれたニンジン、トウモロコシ、キャベツなどが、その名前で呼ばれます。
新たに開発したカレーは、そのブランド野菜を使い、スリランカ仕込みのスパイスから調合したカレー。お店は郡山市民にとってなじみ深いうすい百貨店の地下に構えることになりました。

「初めて福島に来たときに食べたキャベツの芯の甘さに驚きました。郡山で採れた栄養満点で美味しい野菜を使ったカレーを、市民にとって馴染み深いデパートうすいで買えるんです。レシピ監修も郡山で地産地消を徹底する中田シェフにお願いしています」

「with curry」のレシピ監修を担当する中田智之シェフは、郡山市の安積国造神社の参道にご自身のレストラン「なか田」をかまえるシェフです。郡山ブランド野菜の美味しさ、その生産者を心から尊敬し、よく知っている方だからこそ監修をお願いしたそうです。

もう一つの重要なポイントは、「あなたを家でひとりにさせない」こと。
「with curry」の名前に込めた意味の一つです。仕事を終え、ひとり家でご飯を食べるときには、テレビやスマホをなんとなく見ながら済ませてしまうことが多いのではないでしょうか。
「with curry」は、毎日おおよそ20時に吉川さんをはじめとしたカレーガールが、お客さんがテイクアウトしたものと同じカレーを食べるインスタライブを配信します。

「一人で、外食するのも気が引けるしお惣菜を食べるのも味気ない。誰かと一緒に食べる食卓が私自身大好きなので、画面の中から同じ食卓を囲むようにしたいんです」

現在、お店のオープンに向けて、クラウドファンディングに挑戦しているとのこと。6月2日に実施したキックオフイベントでは、参加者にカレーを送り画面越しに全員同時にカレーを食べるZoomイベントに早速挑戦しました。クラウドファンディングでは家にカレーが届くコースもあるそう。

「郡山の方はお店で、遠方の方はインスタライブで会いましょう!」

▲カレーをみんなで食べるキックオフイベントの最後に「with curry」ポーズ!

▶吉川さんが挑戦中のクラウドファンディングはこちら
https://camp-fire.jp/projects/view/282004

まとめ

単身Iターンと一言で言っても、会社の転勤で福島県勤務となった人、福島県でやりたいことがあって来た人、福島県の自然や文化に魅了された人、その境遇は人それぞれです。
しかし、どんな人にも共通するのが、福島県で新しい人間関係を一人で築いていく必要があることです。それは、一見自由気ままに生活できて楽しいですが、環境によっては精神的な負荷も大きくなります。
今回インタビューをした吉川さんは、エフライフの後輩であり最も身近なIターンをしてきた女性です。わたしも福島県への移住が2度目のIターンですが、新卒で内定を辞退して入社し、新型コロナウイルスの影響を受けるという環境に、吉川さんがどのような思いを抱いているのか気になる、という気持ちに突き動かされて話を伺いました。
わたしは過去のIターンでは、自分が安心できる居場所にたどり着けなかったり、人との関わりを持つことが難しかったり、という経験をしてきました。さらにコロナ禍では、リアルで繋がる場が減り、先行きが不透明な今、単身Iターン者の不安は尽きないことと思います。吉川さんも同じ不安を抱えていました。それでも、現状を悲観せず、今何ができるのかに目を向けることを続けることで、ご自身の好きがつまった事業に取り組めていると強く感じました。
ピンチをチャンスと捉えることが大切と語る吉川さんに、わたしも勇気づけられる取材となりました。
従来のテイクアウトにコンテンツを加えて、新たな食卓の形を産み出すカレー屋さんの今後に注目です!美味しいスパイスカレーの「with curry」のオープンは、8月末を予定しています。

▶ほぼ毎日8時にカレー配信!Instagram「with curry」
https://www.instagram.com/with_curry_/?hl=ja

▶Facebookページ「with curry」
https://www.facebook.com/withcurry

 

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