インタビュー

ふくしま転入女性tentenインタビューvol.1實國法子さん ~人との繋がりをもとに「新天地福島」が「居心地のいい場所」に変わるまで~

インタビュー

皆さんは引っ越しをして、その土地の生活を楽しんでいると実感できるようになるまでどのように過ごしていましたか?
住めば都とは言うけれど、そう思えるまでは時間がかかるもの。私自身、福島市に引っ越してきてからも宮城県で仕事をしていたので福島市では友人ができず、なかなかこの土地での生活を楽しむことができませんでした。
そこで現在福島市で自分らしく楽しく生活をしている転入女性にその秘訣を教えてもらうことにしました。

今回は、2018年9月の「転入女性のしゃべり場」で出会った實國法子(じつくに のりこ)さんに、tentenベルフォンテの藤本さんと共にインタビューしてきました。
北海道北斗市出身の實國さん。学生時代から札幌に20年住んでいました。その後、旦那さんの転勤で東京5年→札幌3年→東京1年→福島(現在1年目)と各地を転々としています。全国組織の「友の会」という団体に所属する彼女が、現在福島でどんな風に日々の生活を楽しんでいるのか聞いてきました。

實國法子さん(写真左、40代)は旦那さんと二人暮らし。趣味は漫画を読むことと野球観戦。これまで札幌と東京で、幼稚園教諭と保育士を合わせて25年勤めました。藤本(右)とは、引っ越しを数多く繰り返してきたからこそ分かち合える話で盛り上がりました。

福島に引っ越してすぐに会いに来てくれた「友の会」のスーパー主婦

―實國さんは「友の会」の存在で福島での生活にも割とすぐ溶け込むことができたと聞いています。「友の会」とはどんな団体ですか?

(實國)「友の会」とは、全国各地の支部ごとに衣、食、住、家計、子どものことなどをテーマに女性が学び交流し合う組織のことです。ある時NHKの「あさイチ」で「ナチュラルクリーニング」が特集されていたんです。それを自分でもやってみたいなと思っていたら、「友の会」で学ぶことができると聞いて入会しました。初めての東京生活の最後の年ですね。

▲「友の会」のでは「婦人之友」という雑誌を読んで学びを深めることも。

―「友の会」に所属する女性がNHKの「あさイチ」で「スーパー主婦」として紹介されたこともあるそうですね。

(實國)はい。でも「友の会」の会員全員が家事を完璧にこなすという意味ではないんです。「あの人はきっとこういうことで大変だろうから」と気を利かせて行動してくれる女性という意味では、「スーパー主婦」と言えるかもしれませんね。例えば私が引っ越し準備をしている時に、掃除を手伝ってくれたり、おにぎりを作ってきてくれたりしたことがありました。
世間一般でいう家事全般を完璧にこなせるいわゆる「スーパー主婦」も中にはいらっしゃいます。でも「友の会」の会員全員がそういうわけではなく、少しでも日常の暮らしが良くなるようにと願い日々励んでいます。得意な人を中心にして「友の会」全体で学び合っているんです。私の周りにも「あの人はきっとこういうことで大変だろうから」と気を利かせて行動してくれる女性がたくさんいます。そういう意味では、「スーパー主婦」と言えるかもしれませんね。例えば私が引っ越し準備をしている時に、掃除を手伝ってくれたり、おにぎりを作ってきてくれたりしたことがありました。

―福島に来てまたすぐに福島の「友の会」に入会したのですか?

(實國)転勤が決まったら、新しい居住地の「友の会」に連絡がいくんです。私は2018年の7月28日に福島に引っ越ししてきたのですが、8月の3日か4日には、連絡を受けた福島の「友の会」のメンバーが「大丈夫?」と家まで来てくれました。「誰も知り合いがいないと聞いたから、大変かと思って来たわよ」、って。福島に来て旦那さん以外の人と話したりランチをしたりするのはこれが初めてでした。それが嬉しくて、不安も和らぎました。

▲プラスチックゴミ問題に興味を持ち、福島市内のあらかわクリーンセンターを「友の会」の仲間と見学。社会問題を自分のこととして考えるのが「スーパー主婦」のゆえんなのかも。

始めは少し怖かった震災後の福島転勤

―福島に旦那さんの転勤が決まった時はどう思いましたか?

(實國)福島の人には申し訳ないですけど、やはり放射能のこととか、ちょっと怖いなと思いました。特に食べ物のことは気になりました。でも友だちに福島に行くことになったことを伝えたら、福島の食べ物はしっかり検査もしているし安心だよと言われました。福島に行くことに対して心配する人はいなかったですね。震災後7年経っていましたしね。

―実際に来てどうでしたか?

(實國)さっき皆で黙祷をしましたよね。(インタビュー当日は3月11日で、インタビュー場所でもアナウンスがあり皆で黙祷を捧げました。)東京に住んでいたら東日本大震災のことを考える機会がないので、もう忘れていたんじゃないかと思います。福島に来て福島の現状について考えるようになったのでよかったですね。こっちに住んでいると浪江がどうとか聞こえてくるし、被災した方のエピソードを聞くこともあります。だから身近なこととして考えさせられますよね。

福島での人間関係作りは運命的

―實國さんは去年の7月末に福島市に引っ越してきて、9月末にベルフォンテ主催の「転入女性のしゃべり場」に参加されました。そこで私たちは出会いましたね。「しゃべり場」の情報はどうやって知ったのですか?

(實國)「ポレポレ」という子育てサークルが料理教室をするために「友の会」に託児の依頼をくれました。そこでもともと保育士として働いていた私は、「友の会」のメンバーとして託児スタッフをしたんです。東京から来たばかりという話をしたらポレポレの代表の方が「しゃべり場」を紹介してくれました。

▲「友の会」と「ポレポレ」で行った家計の勉強会。實國さんは託児担当でした。

―「しゃべり場」は子連れNGの大人会でしたよね。

(實國)それが良かったですね。子供の話題以外の自分たちの事を話すことができました。その会で、ハローワークで転入先の仕事を探すことができると教えてもらえて参考になりましたそれに、その時紹介してもらったベルフォンテのもう一つのイベント「WELCOMEワークショップ」にも申し込むことができました。「しゃべり場」は単発のイベントなので、その後会う機会がなくてなかなか連絡がとりづらかったです。WELCOMEワークショップでお二人と再会できたから、今もこうやってお二人とは連絡が取れているんだと思います。

▲保育士の経験から、インタビュー中にも子どもに優しく声掛けしてくれる實國さん(右)

保育士から一転。福島市の地元お菓子メーカーで働き始めた實國さんのお仕事に対する想い

―今は地元のお菓子屋さんで働いていらっしゃいますが、お仕事探しもかなり苦労されていましたよね。

(實國)今回は保育士ではない新しい仕事をしてみようと思ったんです。料理が好きなので調理のお仕事を探したのですが、これまでに経験のない仕事だったのでなかなか決まらなかったというのもありますね。

―転勤族は働ける期限があるので仕事を見つけるのは大変ですよね。今の職場はそれも受け入れてくれたのですね。

(實國)そうですね。調理の場合、仕事に慣れてしっかり働けるようになるまでにかなり時間がかかりますし、働ける期間が限られている私が採用されるのは難しかったようです。今働いているニューキムラヤでの仕事内容は、商品の梱包、製造、出荷準備、パティシエさんの助手など多岐に渡ります。それで、できることから始めてもらえればいいからどうぞ、ということで採用してもらったんです。今日は職人さんに習いながら一緒にゆべしを作ってきました。初めてのことだらけですが、とても丁寧に教えてもらえるので安心して働かせてもらっています。それに私自身作ったりするのが好きなので、とてもやりがいがあります。

▲實國さんの勤めるニューキムラヤさんの看板商品「栗本陣」と、福島市のキャラクターをあしらった「ももりんサブレー」

―仕事を始めて何か変わりましたか?

(實國)仕事をしている方が旦那さんとの会話は増えますね。報告することがあるので。仕事をしている方が私も元気なので、働いている方がいいみたいです。

―今のワーク・ライフ・バランスはどうですか?

(實國)家が汚い(笑)。でもそれは仕事を理由にできるので、短い時間ですが働いている方が精神的には安定します。私の場合は、時間が限られている方が計画的に物事を進めるのでイライラしなくてすむんでしょうね。あとは、週一回「友の会」での活動を楽しんでいます。だから、仕事と私生活のバランスがちょうどいい具合に取れていると思います。

―働かれているお菓子屋さんは毎年花見山の観光シーズンは花見山で出店されていますよね。来月の花見山での出店で、實国さんも店頭に立つかもしれないとおっしゃっていましたよね。外から人を迎える立場にもなりますね。お客さんを迎えることになってどうですか?

(實國)これまでお客さんを相手にしたことがないので心配ですが、福島に来て初めての花見山のお花見シーズンなので、自分としても楽しみです。

▲インタビュー後、実際に花見山を楽しんだ實國さんが撮影したおかめ桜。

福島になじんだと思える瞬間

先日私が歩いているところを見つけて、「福島に知り合いができたんだ」と実感したとおっしゃっていましたよね。他に福島になじんだなと思った瞬間はありますか?

(實國)この前新幹線に乗っていて内堀知事を見かけた時ですね。他県の知事は見ても分かりませんが、福島県知事が分かるようになって、福島の人間になったなと思いました。WELCOMEワークショップで、福島出身の有名人を書いてみようというゲームがありましたよね。あれ以来福島出身の有名人をテレビで見ると嬉しくなっちゃうんです。

(藤本)私もその気持ちがわかります。甲子園も地元の県よりも福島県を応援してしまいます。

(實國)マラソンとかもそうですね。東京に住んでいても東京のチームを応援したりはしないんですが。

引っ越しでつらい思いをしたこともあるけれど今は新しいことに挑戦!

転勤での引っ越しは大変ですが、實國さんは色んなところに住めるとか新しいことにチャレンジできる機会だとか、ポジティブに捉えていますよね。何か辛い経験はありますか?

(實國)初めて東京に引っ越した時は何も考えていませんでした。でもその後、一回大好きな札幌に帰って3年間過ごしてからまた転勤で東京に行くと決まった時は、引っ越しがつらく感じました。東京に引っ越す日が近付くにつれて鬱っぽくなりました。

そういうときに旦那さんにつらさを伝えましたか?

(實國)それを旦那さんにはっきりとは伝えなかったですね。転勤は旦那さんのせいではないので。でも私の体調の悪さや気持ちには気付いていたと思います。一年に一度は札幌に遊びに行こうと言ってくれています。

旦那さんの福島勤務が2~3年の予定とのことですが、福島を離れることにさみしさはありますか?

(實國)さみしいですが、こればかりは受け入れるしかないですよね。

(藤本)私も旦那さんの転勤で一か所にいられる期間が南会津に3年、喜多方に3年、須賀川に2年とあらかじめ分かっていていました。今回福島市に住んでいて初めていつまでいられるか分からないんです。もし2年しかいられないと分かっていたら、じゃあこの2年をどうやって思いっきり楽しむかと逆に考えるようになりました。来年はここにいられないかもしれないから今やらないといけないんだな、とか。だから密な時間を過ごせるような気がします。普通に生活していたら、もう少し落ち着いてからと思ってしまうかもしれませんが、そんなのを待っていたらいられなくなっちゃうかもしれないし。だから私は無理してでも新しいことを始めたりするんですが、實國さんはどうですか。

(實國)私も生活が落ち着くまでなんて待っていられないので、やりたいことをやっていますね。

やりたいことって何ですか?

(實國)畑で野菜作りをすることです。東京に住んでいた時に車で15分の農園を借りていたんです。年間12万円の土地を3家族で借りて野菜を育てていました。年間12万もかけて作った野菜って、やたら高級ですよね(笑)それで福島でもやりたいと思って畑を探していたんです。そうしたら「友の会」の方が借りている土地の一部が空いているからそこを使いますかと言っていただいたんです。ここはなんと年間5000円!引っ越すまでは旦那さんと一緒に畑仕事を楽しみます。
あと、東北に住むのは初めてなので、東北を旅行することも楽しみです。2月には宮城県の秋保温泉に行きましたし、次は山形県にも行きたいです。福島の花見山や三春の滝桜のお花見、そして各地の温泉巡りは待ちきれません!旦那さんと福島市内のラーメン食べ歩きも最近の楽しみの一つです。せっかく住んでいる福島・東北ライフを満喫します!

▲實國さんも満足したとろふわワンタン麺。福島市内では醤油ラーメン味をよく見かける。

引っ越し先のよいところをあらかじめ友だちに聞いて新生活を楽しみに

これから福島に転入してくる女性へのメッセージをお願いします。

(實國)自分で動いてみないと始まらないので、なんでもやってみてはどうでしょうか。新しい場所に来ることは旦那さんのお仕事のためなので自分はどうこうできません。だから私は、そこでいかに自分が楽しむのかということを考えています。

新しい土地に行くことを前向きにとらえているということですか。

(實國)私の場合は、何事にもふさわしい時期があると思っていて、それを受け入れるようにしているんです。そして、それぞれの土地で楽しむには、人との繋がりが大切かなと思っています。私は一人で家で本を読んでいるのは性に合わないので、仕事でも「友の会」でも、自分と合う人との繋がりを求めて自分から動きます。短い付き合いだし、深く考えずにやってしまえ!!というところもあるかもしれません。この歳まで生きていると、こうしておけばよかったとか、この人の分もしっかり生きようと思わせられる経験を多々してきています。それが背中を押しているんでしょうね。
あと、同じ年の友だちしかいないと自分と同じ状況なのでそこで話が止まってしまいます。でも年上の友だちがいると色々アドバイスをもらったりできるのでそれは大事だと思います。もちろん、年下の友だちの新しい考えに出会えることにも喜びを感じます。

福島に来てよかったですか?

(實國)良かったです。欲を言えば福島にもうちょっといたいですね。

コーヒーを一杯飲み終わるころには、福島がもっと好きになっていました

まとめ

實國さんも、引っ越しを前向きにとらえられなかったこともあるようでした。それでも、「その土地をどうやって楽しむか」と考えることで人と繋がり、新しい生きがいを見つけてきたようです。

引っ越し先で自分の居場所を見つけるのに時間がかかったり、さみしい思いをしたりしているのは自分ひとりではないですよ!自分以外の人が引っ越し後どうやってその土地になじんでいくのかを垣間見ることで、新天地での小さな幸せを楽しむヒントをみつけられるかも。tentenの活動や記事を参考にして、せっかくの福島ライフをあなたらしく楽しんでくださいね!

▶全国友の会
HP http://www.zentomo.jp/

▶福島友の会
住所:福島県福島 花園町2-29
電話番号:024-534-9210 (火曜日10~15時対応、それ以外は留守番電話)
HP https://fukutomonokai.com
ブログ https://ameblo.jp/fukutomonokai/

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