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【tenten番外編】「福島発!地域でのものづくりとデザインの裏側全部おしえちゃいます」オンライントークイベントレポート

県北
伊達郡

地域でのものづくりとデザインの裏側を全部教えてくれる!?そんな魅力的なキャッチコピーが付いたこちらのイベント。2020年6月28日 (日)の夜に開かれたこのオンライントークイベントには、総勢40名の参加者が集まりました。
登壇者は、福島県国見町で地域資源を活用した化粧品ブランド『明日 わたしは柿の木にのぼる』を立ち上げた「株式会社陽と人(ひとびと)」の小林味愛(みあい)さん、クリエイティブ・ディレクション・デザインを担当した北山瑠美さん、そして福島県で様々な6次化商品のデザインを行っている「ヘルベチカデザイン株式会社」の佐藤哲也さん。福島に縁のある3名が、それぞれのリアルな体験談とそこから感じたことをクロストークで2時間びっちり語りました。
地域ブランドを立ちあげるとは?どのようにしてデザインは生まれるのか?東京と地方のデザイナーの違いとは?2時間のトークの中から特に熱の入ったポイントについてレポートします。

 

小林味愛さん
東京都立川市生まれ。国家公務員として霞が関で5年間勤務したのち退職。その後、日本総合研究所で約3年間働く。2017年に福島県国見町で「株式会社陽と人」を立ち上げ、東京と福島の2拠点で活動する。2019年に柿を使ったコスメ『明日 わたしは柿の木にのぼる』を商品化。
株式会社陽と人 https://hito-bito.jp/
明日 わたしは柿の木にのぼる https://ashita-kaki.com/

北山瑠美さん
東京を拠点にグラフィックデザインを中心とするデザイナー。旅ライターやVMD(ビジュアルマーチャンダイジング:お店のディスプレイデザイン)のインストラクター、遺品整理士など、活動は多岐にわたる。柿のコスメ商品化にクリエイティブディレクターとして携わる。株式会社スマイルズに所属しながらフリーランスでも活動中。


佐藤哲也さん
福島県須賀川市出身。2011年に福島県にUターン。地域でのものづくりとクリエイティブディレクター。6次化商品や、まちづくりなど地域の課題解決をデザインを通じてアプローチしている。本イベントのファシリテーター。
ヘルベチカデザイン http://helvetica-design.co.jp/

 

『明日 わたしは柿の木にのぼる』の原点は、日本で働く女性への気遣いと、福島の農家さんの支えになりたいという気持ち

小林さんが国見町の柿を原材料に商品化した『明日 わたしは柿の木にのぼる』

なぜ小林さんは柿を使ったコスメを商品化しようと考えたのか。柿コスメの原材料となっている国見町の特産品である「あんぽ柿」の説明とともに、農家さんの丁寧な製造作業風景の写真をみながら、商品開発の裏側を中心に話題が進んでいきました。

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小林:「陽と人」では、もともと外部の人間である私が、福島県で埋もれている地域のお宝や本当に自分が良いと思うものを発見し、磨き上げて商品にしたり、季節の果物をお届けしたりという取り組みをやっています。
商品化したデリケートゾーン用コスメ『明日 わたしは柿の木にのぼる』は、「あんぽ柿」を作る際に捨ててしまう柿の皮を活用しています。あんぽ柿の小売価格を今以上に上げることは難しいけれど、農家さんの手元に入る収入を増やすにはどうしたらいいかと考えて目を付けたのが廃棄される柿の皮でした。

国見町の柿農家のご夫婦

小林:その柿の皮からデリケートゾーン用のコスメを開発したのは、自分が体調を壊したことがきっかけでした。私が公務員や民間で働いていた時はまだまだ男性社会で、長時間働くことが評価される時代でした。私も夜中の2時まで働くのは当たり前、3日間泊まり込みなんてことも度々ありました。そんな日々の中で、ふと気を抜いた時に何度も何度も体を壊してしまっていたんですね。
ある時、周りの同世代の女性たちに話を聞いてみると、実は同じ悩みを抱えていたり、同じような経験をしていたりということがわかったんです。

日本人は冷え性の女性が非常に多い。日本ではデリケートゾーンだけ保湿する習慣がありませんが、実はデリケートゾーンが乾燥し、血流が悪くなることで体全体の冷えを招いていることも要因のひとつとして挙げられます。
デリケートゾーン用のコスメは欧米では当たり前のように薬局やスーパーで販売されていますが、日本ではまだなかなかありません。アメリカでは女性の社会進出・地位向上のために女性の健康を守る部署もあり、様々なガイドラインも出されているんですよ。
日本社会を変えていくのは時間がかかることで難しいけど、日本の女性たち一人一人が、毎日の中でちょっとの時間だけでも、自分の体調を気遣い、自分の体の変化に気づく。福島の資源を活用してそんなライフスタイルを発信できないかと思って、デリケートゾーンケアのブランドを立ち上げました。

 

デザインのこだわりはクライアントの物語から感じた「女性が見つめる未来」

話題は北山さんのデザインに移ります。
小林さんと北山さんを中心に、北山さんが商品開発のプロジェクトに加わった経緯からメインビジュアルの撮影裏話、コンセプト、ネーミング、パッケージ、ロゴデザインに至るまで、余すところなく商品に込められた思いを語ってくれました。

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自分のやりたいことを実現するには仲間が必要不可欠だった

小林:私は思いだけで何も考えず突っ走る!というタイプなので、仲間がいないと何もできないわけです。このプロジェクトのためにWEBやカメラマン、ライター、広報など女性のメンバーが集まってくれたのですが、その一人がクリエイティブディレクターの北山さんです。
私は「こうしたい、ああしたい」と、脈絡もない話を延々と2~3時間する。それを北山さんがデザインに落とし込んでくれるわけです。それが毎回「そう、これこれ!」というものを持ってきてくれるんですね。

北山:小林さんは迷わないんですよ。判断がとにかく早い!小林さんの商品に対する思いやイメージの軸がしっかりあるから迷わないんだなって感じました。
このお仕事をいただいたときもそうだったんですが、初対面なのに私にこのお仕事を依頼してくれたんです。

小林:初めて会った時に、たわいもない会話から「この人すごいな」って感じて、迷いなく北山さんにお願いしました。

メインビジュアルは女性の未来を撮るように

北山:メインビジュアルの撮影は国見町で行いました。実は女性モデルをこのコスメのコピーライターさんにやっていただいたんです。線が細くてイメージにぴったりだったので、白いワンピースを着て森を走ってもらったり、柿の木に登ってもらったりしました。
デリケートゾーン用のコスメなので、ちょっと下から撮る感じで、「パンツが見えそうで見えない感じに」と指示だしをしていました。いやらしくならないように撮りたいなと。
今回に限ってはカメラマンさんに「とにかくモデルを撮らないで」「女性の視線の先を撮ってほしい」と言い続けました。大抵モデルにピントが合ってしまうんですが、一番伝えたいところはそこではないので。女性の、「自分がどういう風になりたいか」と思い描くその未来を撮ってほしい、というイメージがあったので、そこはこだわったところです。

思い切ったコンセプトとネーミングで女性らしさを表現

北山:このプロジェクトでは、パッケージデザインだけではなくネーミングやブランド名を考えるところから一緒にやらせてもらえたんです。普段、コピーライティングはしないんですけど、そこから一緒にできることがとても嬉しかったです。
商品のネーミングは、よくあるものではなく、思い切ってより女性らしさ、より女性の心や気持ちの変化のデリケートな部分を表現できるものがいいんじゃないか、ということで最終的に『明日 わたしは柿の木にのぼる』に決まりました。

小林:色んなネーミングの案があったんですが、社会に対して「女性達が等身大でもう少し生きやすくなるような社会を目指したい」というメッセージを発信していきたくて、あえてブランド名っぽくない、つい立ち止まってしまうようなネーミングにしました。

北山:一般的にコスメは横文字の商品名が多く、説明されないと分からないものが多いです。日本語の文章のような商品名って店頭に並んでるのをあまり見たことがないので、それだけでどういうことかな?って目に留まりますよね。想像が膨らむような商品名がいいなと思ったんです。

自分だけの秘密を持ち歩く楽しさをパッケージに

北山:女性の心や乙女心とは、いい意味で波もあり、丸とか三角とか四角では表せない、日々変化するもの。水彩とか淡いグラデーションで表情を変えられたら素敵かなと思いました。
商品パッケージに使われている、もしゃもしゃ、線、三角。デリケートゾーンの三角形の場所を表現していて、秘め事なんだけどあえてグラフィックに起こすことによって自分だけの秘密をちゃんと持ち歩く、そういった楽しさもデザインで表現してみたくて、こういったアイコンを是非使わせていただきたいとプレゼンしたのを覚えています。

ロゴも、パッケージやメインビジュアルと組み合わせを色々試して提案しました。
手書きの文字には魂がこもるので『明日 わたしは柿の木にのぼる』という文字を小林さんに書いてもらったりもしました。いろいろ検討して、最終的なデザインが決定しました。

 

クライアントの物語(ストーリー)はデザインにおいて重要な要素

佐藤:北山さんはデザインのプロセスとか分析の仕方が面白いですよね。いろんな角度から見ているなと感じます。それはどのようにすすめているんですか?

北山:毎回最初に「あなたの物語を聞かせて」とクライアントに聞くようにしています。クライアントがなんでこれをやりたいのか、熱い思いから生まれるブランドはそこを聞かないと作れないんです。
どんなブランドになっていったらいいか、どんなシーンが生まれるのがいいのか、とことん想像します。話を聞くにつれて、クライアントの当初の依頼とこちらが提案するものが違ってくる場合もありますが、いいものを作りあげるためにはずけずけと言っちゃいますね。

佐藤:クライアントとデザイナーのいい関係ってそういうところから生まれますよね。お互いに何のためにこの仕事をやっているのか問い続けるといいものが生まれる気がします。

北山:話を聞いてクライアントと思いを共有できると、次第に自分事になっていくので、どんどんアイデアが生まれてくるんです。

 

地域での6次化商品作りに大切なものは「思い」

佐藤さんの得意とする6次化商品。6次化とは、生産者(一次産業者)が製造・加工(二次産業)や流通・販売(三次産業)までを行い、付加価値を創出することです。
佐藤さんは6次化商品の必要性についての話を、小林さんは柿のコスメ商品化までの道のりの大変さを包み隠さず語ってくれました。

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佐藤さんが手がけた6次化商品(ソトコト2019年1月号の特集記事より引用しております)

小林:デザインといえば、佐藤さんは色々と6次化商品に携わっているんじゃないですか。いいものが出来る時とそうでない時の違いはなにかあるんですか?

佐藤:まず、みんなどうして6次化商品を作りたいのかなってすごい疑問に思うことが多いです。感覚的にこれは作っても売り続けるのが結構大変だろうなと思った時は「やめたほうがいいんじゃないですか」って言ってます。そもそも製品化しなくていいものもあると思っていて、そこを整理しておかないと様々な商品に埋もれてしまうなと。

小林:「単純にパッケージを可愛くすればいい」とか「地域にこういう素材があるからジャムやジュースを作ればいい」というような考えだけで、そこに思いがないと続けられないですよね。

北山:何かを立ち上げるのって勢いでできるじゃないですか。でもそれを続けていく方が大変で、じゃあ誰がやっていくのか、そこが曖昧なまま立ち上がっちゃうことも結構ありませんか?

佐藤:たくさんの人と関わらないと継続できないのは大変なので、まずはなるべく少ない人数で、自分たちのパーソナルエリアでやれるのが理想ですね。
小林さんの柿のコスメも製品になっていく過程、考えただけで大変だと思います。

小林:こんなに大変だと思ってなかったです(笑)もう全部大変でした。
柿の皮から成分を抽出して原料化することが最初のハードルでした。自分が自信をもって世に出せる商品にするため、コスメの製造工場の方に煙たがられながらも、何回も通って疑問をぶつけたり、試作を繰り返して手も抜きませんでした。売り先の開拓やお客様にどうスムーズに商品をお届けできるか、すべてにおいて大変でした。
でもこの商品を通じて女性の人生を豊かにしていきたい、その思いがあって、やりたい事が明確だったので、楽しかったですね。ものづくりは仕事でもあるけど人生だと思っていて、どれだけ思いを込められるかが大切だと感じています。

 

地方のデザイナーは枠を超えてチャレンジできる可能性がある

小林さんと佐藤さんは福島と東京に拠点をもち、北山さんは東京で活動をする傍ら、旅ライターとして国内各地をめぐり、そのご縁でもお仕事をされています。三者三様、地方と東京のデザインの仕事の違いについての話題で盛り上がりました。

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佐藤:デザイナーっていうとテクニックや装飾的なところに走りがち。デザインの技術は当然必要ですけど、使う場所がもっと大事じゃないですか。首都圏のデザイナーより地方のデザイナーの方がそういうフィールドはすごい広がってると思う。
僕よく話すんですけど、サッカーチームでいうと東京の仕事はフォワードでずっとひたすら点を取ってればいいんだけど、地方だとキーパーとか監督もグラウンド整備も全部やらなければいけない。色んなポジションも理解してないとチームを回せなくなる。そもそも地方にチームがないから自分で組み上げるために会社も作りましたし。東京ならすでに色んなチームがあって、プロデューサーやディレクターもいるのでそこで仕事できます。地方では、役割を分けるのはあまり意味がないですね。

北山:だから私は地方の仕事の方が好きなのかも知れない…と言ったら怒られるかな。ライティングも自分でやらなきゃいけないし、そのヒリヒリ感も楽しいですし。「一緒にやらせていただいている感」が本当に心地よい。デザインやっててよかったなあ、武器を持っていてよかったなあ、と心から思うのが、どちらかというと地方の仕事なんですよね。 人生をかけてやろうとしていることの同じ船に乗せてもらえるというのはすごく嬉しいことなので、枠を超えてやっちゃっていいんじゃないかなと個人的にはすごく思っています。

国見町での撮影風景

北山:佐藤さんこそデザイナーの枠を超えていろんなことをやられてるじゃないですか。経営も運営もブランディングも行政との調整も。こんな器用なデザイナーを私は見たことがないです。その枠を超え始めたきっかけや理由は何かあるんですか?

佐藤:僕は福島と東京の二拠点で活動してますけど、福島で生まれて震災も経験して、ここでデザインをやる意味というのをやっぱり見つけたいところではありますよね。別に東京でもできるしその方が食っていける。できるけど、でもここ福島でやっている強さも絶対必要だろうなと思っていて。
僕は、熊本とか西日本のデザインって磨かれてるなぁってすごく思います。そこには良い意味での土着というか、方言みたいなのが残っているデザインがあってすごくいいなと。僕がリスペクトしているデザイナーさんがいて、山奥で田んぼで米作って、酒作って、地域のおばあちゃん達のシール作っているんです。それを見てるとやっぱり「生きるためのデザイン」っていいなと思って。僕も福島でそうなりたいなって思っているんですけど、レベルが高すぎてなかなか難しいですね。

 

大切なのは「思い」。究極のプロダクトアウトが周りを突き動かす

小林さんは民間企業でマーケティングに関わっていた時、そこで学んだ基本原理と自身の考えとの間で葛藤がありました。マーケティング業界では好ましくないといわれる手法で挑んだ柿のコスメの商品化。その思いの強さは生半可なものではありませんでした。

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佐藤:柿のコスメは、売り先があって作ったのか、それとも商品を作ってから売り先を開拓していったのか、どっちですか?

小林:いや、なかったんです。ゼロでした(笑)

佐藤:それってマーケティング的に駄目なやつじゃないですか!

小林:柿のコスメは完全にプロダクトアウト※1 ですよ。究極的なプロダクトアウト!
私も前の会社でマーケティングに関わっていた時期があったけど、ずーっと疑問だったんです。「マーケットイン※2 が良くて、プロダクトアウトは駄目だ」という考え方。その基本原理って本当ですか!?と。マーケットインの手法でアンケートとって、こういう結果が出ましたとか、いろんなデータ分析して、それで本当に人の心がわかるの?って。確かにそういう学問的な話が必要なのは分かるんだけど、学問だって時代ともにどんどん変わっていってるじゃないですか。

※1 プロダクトアウト…作り手の理論や計画を優先させる方法
※2 マーケットイン…顧客の意見やニーズを汲みとって製品開発を行う方法

佐藤:おっしゃる通り。

小林:地域にある素材を使って、原料も限られているものを使って、これぐらいの方々に届けたいという目標があって。そんな中でマーケットイン・プロダクトアウトという議論自体古いんじゃないかと思うわけです。
地域のものは、作る自分たちの思いがあったり、ご購入いただいた方の人生の先があったり、そういうことをイメージできないと私はつらくて売れない。
売り先なんてゼロだったから、それこそ飛び込み営業ですよ。10軒あたって本当に共感してくれて取り扱ってくださるのは1軒です。でもその1軒がどれだけ尊いかですよね。取り扱ってくれた時の「ありがとう!」という気持ちは本当に何にも代えられないんですよ。
この商品の思いに共感して導入してくださるお店だったり、ひとりのお客様に対する思いを大事にできるというのが地域のものづくりのいいところです。

商品化までに何度も試作を重ねた

佐藤:僕も自分たちが作ったもので 新しいファンやマーケットを作っていく方が絶対いいと思ってます。地域のものってそんなに量も作れないし、年配の方だと「明日までに1000個持ってきて」とか無理じゃないですか。だけど1日で作れる数を無理なく毎日やってた方が絶対幸せですよね。

北山:小林さん、いいこと言ってくれましたね。もちろんマーケティングは大事なんですけど、情報を追いかけすぎても新しい商品って生まれないと思います。結局新しい商品って、誰かの熱い思いから生まれるじゃないですか。それに共感してもらえればどんどんファンが増えていくし、そういう増え方の方が私は自然な気がします。デザインもそっちの方が作りたくなります。
マーケットインとかプロダクトアウトだとかあんまり気にせず、「自分がやりたいかどうか」が最終的に一番の肝になってくるから、そこだけ。そうじゃないと長いこと続けられないですよね。
今、ものづくりを始めようと考えてる方は、まずは「ちゃんと自分が熱い思いになっているか」というところから入っていくと、デザイナーも周りもきっと動いてくれると思うので、そこから伝えていってほしいです。

 

地域のものづくりで社会へのメッセージを発信、小林さんの今後の展望とは

デリケートゾーンケア商品の普及を通じて、日本の社会に一石を投じたいと願い続けている小林さん。柿のコスメの商品化に成功し、その一歩を踏み出した小林さんの今後の展望とは…

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小林:この商品は分類からすれば化粧品で、その中のデリケートゾーンケアブランドなんだけど、社会と繋がるものの見方という位置づけをちゃんと作っていきたいんですよね。これからの女性が働きやすい社会を考えた時に、女性の健康の問題、体調の管理の問題は避けては通れないと思うんです。日本には今、その客観的なガイドラインがないんですよ。なので厚労省が担当する健康全般の問題ではなくて、例えば経産省が管轄するような、働く女性にとっての健康のあり方を提案していきたいなと思ってます。

商品を売って終わりにしたくないし、もちろんお客様とも会話を続けていきたい。そういうお客様の声から生まれた「もっとこういう場が欲しい」とか「こんなものをちゃんと社会に届けていく」っていうところまでやりきりたい。これは私は本っ当ーにやりたい!(笑)22歳の時から思ってるんですよ。

もちろん男性も大変なんだけど、男性が男性のことをよくわかってると思うから、女性の私が女性のこれからのことを考えていきたいです。
女性としてどう社会で生きるか。どう生きやすくなっていくか。まずはちゃんと体の問題、健康の問題、心の問題。そんなことに向き合っていけるような社会への働きかけをしていきたいですね。

『明日 わたしは柿の木にのぼる』プロジェクトチームの女性たちと

まとめ

「地域でのものづくりとデザインの裏側全部おしえちゃいます」と銘打つだけあり、普段は聞けないリアルな体験談と共に、裏の裏の裏側までじっくり覗かせてもらいました。トークが終わる頃には「デザイナー=パッケージを作る人」という私のイメージが完全に覆されてしまいました。
3人のお話を聞いて感じたのは、地方でのデザイナーの位置づけが「クライアントの人生の伴走者」のようだな、ということ。ただデザインするだけではなく、クライアントの物語を聞き、最善の提案を繰り返し、時には道を正しながら一緒に商品を作り上げていく。自分に合うデザイナーに出会えるかどうかが商品の出来を大きく左右することになりますね。直感を信じて初対面の北山さんにデザインを依頼した小林さんの決断力にも驚かされました。
小林さんの柿を使ったコスメを事例に、ものづくりとデザインの裏側を思う存分語っていただいたあっという間の2時間でした。小林さん、北山さん、佐藤さんの今後のご活躍が楽しみです。

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