インタビュー 子育て

tentenインタビューvol.3高橋里佳さん ~孤独な子育てを乗り越えたからこそ、孤独なママのために居場所を作り続けたい~

インタビュー
子育て

福島市で子育てをしてると、どこかでこの顔を見たことがある気がする、というママは意外と多いのではないでしょうか。
子育てサークルtsunagoの設立メンバーで、私の友人でもある高橋里佳さん。三児の母でありながらサークルを運営したり、3B親子わんぱくクラブという親子体操クラブの代表をしたりと、様々な活動に精力的に参加されています。
今でこそパワフルに活動している里佳さんですが、実は過去には子育てで一人悩み、8か月間も外出できなかった時期があるんだそうです。
そんな里佳さんがどのように考え、行動した結果、今に至るのか。その根底には等身大のママだからこそ生まれる思いがありました。

高橋里佳さんプロフィール
福島市在住 30代 転入19年目
出身は山形県。福島へは大学進学で転入し、卒業後はフリーでイベント業界で働く。同じ大学出身の旦那さんとは2008年に入籍し、2010年に長男を出産。現在は専業主婦で男の子三人の子育てに奮闘中。

震災を経て、福島市で子育てに悩み続ける日々。

―福島での初めての子育てはどうでしたか?

(高橋)大変でした。長男はとても扱いづらい赤ちゃんで、とにかくどこでも泣くし、夜もあまり寝ない。長男が8か月になるまでは文字通り、一歩も外に出られませんでした。
8か月が過ぎたあたりでやっと外出するようになりましたが、当時はありとあらゆる場所に長男のことで相談のために出かけていました。ですが結局どこに行っても、私の望む「子育ての正解」となる答えはもらえませんでした。長男の乳幼児期と震災が重なってしまったのも、子育てで特に苦労した要因の一つです。

―震災の時はどのような生活でしたか?

(高橋)2011年3月の震災発生時、長男は1才。住んでいた家の天井や壁が落ちてしまったので、直している間の半年間、同じ市内の義理の実家に避難しました。家族みんなで話し合い、山形には避難せず、灯油や物資も少なかったので一緒にいようと決めました。

▲震災被害で一番ひどかったお風呂場。壁のタイルが散乱した。

▲断水中、やかんとお鍋でお湯を沸かして長男の体を洗った。大人たちはおしりふきで体を拭いていた。

10日ほど断水したのもしんどかったですが、とにかく、正しい「情報」がなく不安でした。未就園児には何も情報が来なくて、自分で調べるしかないけど1番子どもに手のかかる時期で。
長男は震災直後に歩くようになりましたが全く外には出られなくて、ちゃんと外を歩けるようになるのか不安だし、窓も開けられなくて息の詰まるような毎日でした。これらのことが、毎日外に出かけたり色々なサークルに参加するようになったきっかけです。

人生の転機となるNPとの出会い

▲子育て支援hanasoの寺崎さん(左)と吉田さん(右)

NP(Nobody’s perfect program)とは、カナダ生まれの参加者中心型の親支援プログラム。子育て支援hanaso(以下、hanaso)の寺崎さんと吉田さんがファシリテーター(進行役)を務めます。
お二人が、福島に住むママのために広めたいという思いで始められたもので、現在14期まで開催し、160人以上のママがこのプログラムを受けています。

―里佳さんがNPと出会ったのはいつ頃でしたか?

(高橋)長男が年中(4才)、次男は1才の頃でした。子どもも増え、長男が1才の頃とは違う悩みがあったりして、悩みが尽きないのが悩みでした。その当時通っていた子育て支援センターにNPのチラシが置いてあったんです。それまでは一方的に相談に出向いて話を聞いてもらっていましたが、NPでは同じママ同士で話しをするというところ、そして託児付きなのが「新しい!」と思いましたね。そしてもう一つ、おてらちゃん(寺崎さん)による手書きのチラシがとても可愛かったので目を引いたんです。hanasoのお二人が「同じ歳の子どもを持つママ」ということにも刺激を受けました。

▲NPを受けている里佳さん(中央)

―NPを受けて心境に変化はありましたか?

(高橋)NPや色々なサークルに参加し、様々な人と出会う中で、子育てや悩みに正解はない。なくていいんだということがわかりました。NPでは先生に何かを教わるわけではなく、ママ同士でじっくり話をします。それぞれに悩みを抱えていて、いろんな子がいる。正解なんてひとつじゃないんだということがよくわかったんです。がんばりすぎず、ただママの気持ちが楽な方法をとれればいいと思えるようになりましたね。

チャリティーマーケットのお手伝いから始まった子育てサークルtsunago

▲tsunagoロゴマーク

―子育てサークルtsunago(以下、tsunago)の設立のきっかけはなんでしたか?

(高橋)hanaso主催のチャリティーマーケットのお手伝いに参加したことです。チャリティーマーケットでの収益は全て今後のNP開催に充てるとのことで、NPのOG全員にお手伝い募集の連絡が行き、様々な期のメンバーが集まりました。私も参加し、そこで後のtsunago設立メンバーと会い、意気投合しました。

▲チャリティーマーケット用に手作りした子ども向けおもちゃ。作り方は里佳さんが幼稚園バザーで覚えてきたそう。

―その時からサークルを立ち上げようと考えていたのですか?

(高橋)1回目のチャリティーマーケットをお手伝いしていた頃、自身の子育てについて色々と考えることがありました。
前述したように、私は長男が幼い頃、子育てで孤独を感じていました。8ヶ月を過ぎて外に出て、初めて子どもを通した友人、いわゆるママ友ができてすごく嬉しかったのを覚えています。でも、私の周りでは転勤が相次ぎ、せっかく仲良くなれてもすぐ遠くへ行ってしまい、寂しい思いも何度もしてきました。私は福島が長いので、周りからは小児科や幼稚園情報など色々と聞かれることが多くなりました。毎年毎年同じことを話しては新しく人が入れ替わる、この繰り返しです。
そんな経験があり、ここ福島に永住して子育てをしていくことの意味を考えていました。長男の時、色々な場所で相談に乗ってもらいお世話になったので、今度は自分が情報を発信する側に回ってみようかなと思い始めた時期でした。
そしてその1年後、2回目のチャリティーマーケットの準備の時でした。今回の準備は全部NPOGだけでやってみようということになり、私たち(後のtsunagoスタッフ)で呼びかけをしたら準備にたくさんのOGたちが参加してくれました。それを見て「いよいよ自分たちで資金集めをしてNPを開催できるタイミングが巡ってきたんじゃないか!?」ということになり、あとはあれよあれよと話が進んでいきました。一人では無理だったことも、このメンバーと一緒ならできるんじゃないか!?と思えましたね。こうしてtsunagoが発足しました。

▲里佳さん(左)とtsunagoスタッフのみなさん

―tsunagoの活動はどのようなものですか?

(高橋)tsunagoは2017年1月に発足し、2018年4月から活動を開始しました。私は会計監査担当で、現在までの会員数は累計56人です。
私たちtsunagoの1番の目的はhanasoのNPの定期開催。NPOGを中心に、この目的に賛同してもらえた方に入会金と年会費を払ってもらい会員になってもらいます。入会金はサークル活動資金に充て、年会費の一部をNP開催資金に充てさせてもらっています。年に5回程度、チャリティマーケットやママ向けのマルシェ等に出店し、手作りおもちゃやハンドメイド商品などを販売しています。その収益も全てNP開催資金に充てます。スタッフはボランティアです。今後は会員さんにも出店を手伝ってもらったり、何か始めようとしている会員さんとスペースを共有したりして「チャレンジショップ」のような形を取ったり、色々な形で出店を増やしていきたいです。
でもせっかくサークルという形があるなら会員さんにも楽しんでもらいたいし、私たちスタッフも楽しい方がいい。お金を集める活動だけではなく、会員さん同士やスタッフが交流できる茶話会やお出かけイベント、情報交換会など、様々な活動を企画しています。託児講習会を受けた会員さんには、各種イベントの託児スタッフとして謝礼ありのお仕事の提供もしています。
tsunagoの名前の由来でもある人と人、人と場所とをつなげる”居場所”。あらゆるママの”居場所”になっていきたいです。

▲茶話会の一コマ

▲福島競馬場へおでかけ。遊具で遊んだりポニーと触れあった。

一人でも多くのママのために、tsunagoはこれからも色々な人や場所をつなげていきたい

―NPが続く限りはtsunagoも続いていくのでしょうか?

(高橋)続けたいと思っています。
これまでに1回、hanasoのお二人を外部講師として招く形でtsunago主催のNPを開催することができました。チャリティマーケット等に参加して順調に資金が集まれば、来年度にはもう1回、tsunago主催でNPを開催できる見込みです。hanasoのお二人に講座内容に集中してもらうため、できることなら今後全てのNPをtsunago主催でやっていきたいです。すごく難しいですけどね。

▲tsunago入会特典のハンドメイドのロゼット

―里佳さんは自身の子育てがひと段落した後も、ママのための居場所づくりを続けていくのでしょうか?

(高橋)はい。続けていきたいと思っています。それと同時に、次の世代にもつなげていきたいと思っています。やはり子育ての環境というのは世代によって全然違うので、リアルタイムで子育てしている世代のスタッフはぜひいてほしいですね。

―最後に。里佳さんの原動力を教えてください。

(高橋)「ちょっとでもいいから孤独なママの選択肢を増やすためになっているはず!」と思うことです。そして、「資格や職歴がないママでも、「ママ」というスキルを生かせるんだよ!」とたくさんのママに伝えたいです。

―里佳さん、どうもありがとうございました。

まとめ

hanasoとtsunagoは「現役ママが、福島市に住むママのために立ち上げて、年を追うごとにどんどん輪が広がっている団体」という所に大きな魅力を感じます。今後もこの輪は広がり続けていくでしょう。
ちなみに私自身もhanasoのNPOGであり、tsunagoの会員でもあります。子育てにおいて両団体には大変お世話になっているので、この機会に里佳さんのインタビュー記事を書き、一人でも多くのママに里佳さんの思いを届けたいと思いました。
“平日はほぼワンオペ育児”が当たり前の今の世の中だからこそ、ママにとって人と人がつながれる場所の存在は大きいです。
今、福島市で子育てをしていて孤独を感じているママ。
何かを変えたい、始めたいと思っているママ。
里佳さんの人生を変えるきっかけになったhanasoやtsunagoとつながってみませんか?

▶子育てサークルtsunagoブログ
https://ameblo.jp/kosodate-tsunago/

▶子育て支援hanasoブログ
https://ameblo.jp/kosodateshienhanaso/

 

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