教育インタビュー子育て(学童)福島に暮らしている方へ

tentenインタビューvol.9 佐藤彩花さん ~一輪車人生再始動!自分の「好き」をたくさんの人に伝えたい!~

県北
福島市

転入したばかりの時は、どうやって知り合いやお友達を作ったらいいのか悩みどころ。趣味がある人は、好きなことを活かしたサークルを自分で立ち上げるのもアリかも!?

今回インタビューを受けてくれた佐藤菜花(さいか)さんは、福島市で活動する「余目(あまるめ)一輪車クラブ」の指導者でクラブを立ち上げた張本人。
好きなことや得意なことがある人は、彼女の奮闘記を知ると自分も動き出したくなるかもしれません。

▲佐藤彩花さん。岩手県出身。岩手県一輪車クラブチームの一期生で全国5位になった実力の持ち主。福島市内の短大で学び、結婚を機に定住。短大時代は空手に明け暮れるなど、何事もつきつめる一面が。

余目一輪車クラブってどんなクラブ?

余目一輪車クラブは、主に小学生から中学生が所属する一輪車のクラブチーム。(最年少は4才児!お姉さんの練習について行って遊んでいるそう。)国内各地で開催される大会や、なんと世界大会にも出場して優勝、入賞を果たす強豪チームです。その実績もあってか、福島市以外からもこのクラブに通うメンバーもおり、現在26人が所属しています。
高い目標を掲げ、成果をきちんと出すためには練習あるのみ!週に6日、一日3時間ほど、小学校の体育館で特訓です。

余目一輪車クラブでは一輪車を競技として見る機会がない人にその魅力を伝えるため、地域に密着したパフォーマンスも行っています。
2019年の夏は福島わらじ祭りのパレードにも参加し、素晴らしい演技を披露しました。一輪車の華やかさや奥深さを身近で感じられワクワクします!

こんな素敵なクラブになるまで、いったいどんなストーリーがあったのでしょうか?

▲美しい衣装に身を包み、わらじ祭りを彩った余目一輪車クラブ

一輪車人生 再始動のきっかけは、「好き」を伝えたい情熱から

岩手県出身の佐藤さんが福島市で余目一輪車クラブを立ち上げたのは、かれこれ15年前。
一人目のお子さんとお散歩中、小学生が一輪車に乗っているのを見て「一輪車にはもっとたくさんの乗り方があると教えたい!」と一念発起。

一輪車という好きなことをもう一度やろうと決意してから、すぐに行動をおこした佐藤さん。
学校で一輪車ボランティアとして受け入れてもらえるようにと考えた最初の行動は、一輪車指導者の資格を取得するための東京通いでした。
大胆にも思える行動ですが、それも「やりたいことを応援してくれた夫や、子守をしてくれたお義母さんの存在があったからこそできたこと」と佐藤さんは振り返ります。

その後学校に直談判し、晴れて休み時間に一輪車を教えるボランティアに。
一輪車愛好会のメンバー募集のチラシを作成して全校生徒に配布してくれるような理解ある校長先生にも恵まれました。
そして愛好会を立ち上げてから週6時間の練習を続け、3ヶ月後にはなんと学校で一輪車の発表会をすることができたのです。

実はある事情があって、この週6時間の一輪車に打ち込む時間が、佐藤さんにとって大切な時間だったとか。

子育てを楽しむ余裕を生んだ一輪車サークル活動の存在

「私の一人目の子どもは自閉症です。」

今は強豪となったクラブチームを立ち上げるまでの子育ての悩みを打ち明ける佐藤さん。我が子につきっきりで「子育てってこんなにつらいの?」と悩みが尽きませんでした。
しかし一輪車を指導することになり、お義母さんに長男をみてもらい「自分の趣味に没頭できる時間を確保できてかえって子育てを頑張る活力」が生まれます。
また、「障がいがあるからこそ社会的な場所で経験を積んで自立してほしい」と願うのも親心。息子さんは一輪車クラブのメンバーとしても活動し、今でも練習会場に顔を出します。来ないと、周囲から「どうしたの?」と心配されることも。それは人とのつながりができた証拠。今では息子さんの居場所として、余目一輪車クラブはなくてはならない存在となりました。

大舞台に立つ子どもの可能性を信じて 世界大会優勝へ

岩手県出身の佐藤さんが福島県でここまで熱心に一輪車の活動を続けてきたのは「子どもたちの一輪車に対する情熱が想像を超えて強まっていったから」。
子どもの熱心さに後押しされ、「自分自身が大会を目指した頃の経験を味わってほしい」という想いが強まります。しかし福島県内には一輪車の大会がなく、県外の大会に出場することへの不安の声も上がりました。
それでも技術向上のために、子どもたちや保護者たちと何度も意見交換を重ねてきました。今では「孫の活躍を応援しているおじいさんとは、カラオケまで一緒に行く仲」となるほど。

▲一輪車がメンバーの「人の輪」を作り上げています。

そしてついには世界大会で優勝するまでのチームに。
どうやって世界一のチームになることができたのかと聞くと、「人を信じたら叶ったんですよ!」という力強い答えが。

とある地方大会で優勝した時に、「余目一輪車クラブの演技は世界大会で優勝できる」とお墨付きをくれた有名な指導者。またある時「一輪車に乗って東京ディズニーランドで働きたい」という夢を語ってくれたクラブのメンバー。
子どもたちの真剣に練習に打ち込む姿を見て、子どもの可能性を信じて応援する保護者。その想いを形にするために、世界大会優勝への道を歩むことを決意したのです。

そして、「世界大会で優勝できる」という言葉をかけられてから8年。余目一輪車クラブは、ついに2011年のイタリア大会で見事優勝を成し遂げたのです!
佐藤さんの「嬉し涙を味わえるのはほんの一部の人だけ。同じ涙ならそれを目指したい」という言葉にははっとさせられます。どれほどまでの苦労があったのか測り知れません。でも嬉し涙の味を知るために諦めなかったクラブの皆さんに、こちらまで勇気づけられます。

▲合宿で伸びるのは一輪車のスキルだけではなく、生きる力も。

最後に是非、みなさんに世界一の演技を―――

まとめ

話を聞いて「波乱万丈ながら保護者や指導者と一緒になって夢を叶えていく子どもたちが誇らしい!」と親近感を持つまでになりました。好きなことを続けていくと、それはだんだんと一人だけの夢ではなくなってくる。多くの人の期待と希望を乗せた活動だからこそ、それに関わる人たちが本気で取り組む。そうやって長い時間をかけて形作られていく人間関係は、かけがえのない存在です。その人たちの支えがあるからこそ、自分の中に輝きを見つけれるのもまた事実です。
転入先で自分の好きなことや得意なことに打ち込んで、分かり合える仲間や、支え合える友だちと出会う。さらにそれが、自分にとっていいリフレッシュになって、日常生活に活気が生まれたとき、それはこの上ない「幸せ」ですね。

▶余目一輪車クラブ
Facebookページ:https://www.facebook.com/amarume.unicycle.club

 

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