暮らす

台風で避難勧告・避難指示が出た!転入女性の避難経験談①~避難所に避難した方のお話~

暮らす

令和元年10月12日夕方から未明にかけて福島県をはじめとする東日本を襲った台風19号。
福島市に住んでいる私の携帯は18時頃から頻度高く緊急速報のエリアメールが鳴り響き、ハザードマップでは浸水地域ではない場所(かつアパートの2階)に住んでいる私でも、避難所へ避難すべきかどうか悩みました。夜遅かったこともあり、私は自宅にいるという選択肢を取り、被害はなく台風は過ぎ去りました。
避難の判断はいつ何を基準にすればいいのか、そしてどこに避難すればいいのか。地理に疎く、相談する知り合いも少ない転入女性の中には不安に感じた方も多かったのではないでしょうか。
今後、同じような避難指示が出た時の参考にしていただくために、実際に避難所に避難した転入女性に、当日の経験やそこから得た教訓をお伺いしました。

▲今回お話しを伺ったのは、横浜市から福島市に転入して約1年半の但野智子さん。 昨年のWELCOMEワークショップに参加してくれた方です。 阿武隈川の支流であり福島市の中心部を流れる荒川のすぐそばのアパートに、旦那さん、小学校2年の女の子と年少の女の子の4人で住まわれています。

川沿いに住んでいることで普段から心がけていたことや台風に備えた準備

―普段の生活で川沿いに住んでいることで何か意識していることはありましたか?

(但野)荒川沿いにある桜づつみ公園にある看板に、荒川は氾濫を繰り返し、別名「あばれ川」と呼ばれていると書いてあり、台風が来た時などは気を付けなればなと思っていました。

▲荒川について書かれた看板。荒川のふりがなとして「あばれがわ」と書かれています。

▲看板には昔からたびたび洪水を起こしてきたことも書かれています。

―今回の台風が来ると分かってからはどうでしたか?

(但野)近くに住んでいる義理の両親からも、何十年も住んでいて水に使ったことはないから大丈夫だよと聞いていましたし、アパートを決める前にもハザードマップも確認しましたが、マップ上では浸水深が0.5~3m未満となっていたので、今回も2階にいればまず大丈夫だろうと思っていました。念のため前日にスーパーでパンやカップうどんなどの非常食を買っておきました。あと、子どもが通う小学校から金曜日に避難所のお知らせがプリントで来ていたので、避難所が子ども達の通う小学校であることについて確認はしていました。

台風当日、心境の変化と避難に向けた準備の開始

―当初は避難所へ行くつもりはなかったんですね。

(但野)そうです。でもスマホに避難勧告のエリアメールが頻繁に入り始めて、もしかしたら避難所に行くことになるかもしれないと思い始めました。

―思い始めてからどんな行動を起こしましたか?

(但野)まずスマホを充電しっぱなしにし、常にバッテリーを満タンにしました。長靴も家族分準備して玄関に用意。そして避難所に持って行くものを鞄にまとめて玄関先に置きました。荷物はボストンバッグ2つ分になりました。

鞄にまとめたもの

・水4リットルほど 各自水筒に水を満タンにして持参
・アルファ米ご飯(白米+味ごはん)10食 (以前から備蓄しておいたものを半分ほど)
・食パン、菓子パン(前日に買っておいたもの)
・おせんべいなどのおやつ
・こども用毛布 1枚
・こどものお気に入りのぬいぐるみ
・スマホ充電器
・パソコン(仕掛かり中の大事な仕事のデータが入っていたため)
・母子手帳
・お薬手帳(自分と子どもの分)
・こどもの服用中の薬(ちょうど耳鼻科で咳止めをもらっていたので)
・各自の歯ブラシ、水のいらない歯磨き粉
・生理用品

子どもたちにも避難するかもしれないと伝えて、1階の部屋にある濡れたら困る大切なものを2階にあげさせました。

2階にあげたもの

・ランドセル(すべての教科書を中に入れた)
・幼稚園・小学校の用品(体操着、園服など、買いなおすと高そうなもの)
・大事な本
・こどもたちが大切にしているものやおもちゃ
・カブトムシ(こどもたちがかわいがっていたので、少しでも助かるならと思い)

その後は、避難したらごはんを満足に食べられないかも、体をきれいにできないかもと思い、夕ごはんをおなかいっぱい食べ、お風呂に入り、歯磨きを済ませました。その後こどもたちは少しでも寝ておけるように、いつも通り寝かしつけました。ただ、いつでも避難できるように着替えは枕元に置いておきました。
子ども達が寝た後は、ライブカメラで荒川の様子をウォッチしていました。夫には避難することも想定してお酒は控えてもらいました。

いざ避難。避難所で初めて過ごす夜

―その後、避難所へ行くことを決めたんですよね。なにか決定打はあったのですか?

(但野)まずは、避難勧告が避難指示になったことです。あと、近所に住むママ友にLINEで連絡をしてみたらすでに避難していたこと。もう一つは、向かいの家に住んでいる人の車の音が聞こえ、避難したことが分かったことです。身近にいる人たちも避難していると知り、自分たちも避難しようと決めました。寝ている子ども達を起こし、着替えさせ、準備していた荷物を持って避難所へ向かいました。

―避難所は小学校でしたよね。そこへはどうやって行ったんですか?

(但野)車です。雨が酷かったのと、荷物がいっぱいだったこと、そして向かいの家の方も車で避難していたし、先に避難していたママ友からも避難所の駐車場にまだ空きがあると聞いていたからです。車じゃなかったら、ちょっと4歳児を連れて歩いて30分の距離の避難は難しいです。

―避難所に着いて車は停められましたか?

(但野)ほぼ満車でしたが、なんとか隙間を見つけて駐車できました。私たちのあとに来られた方はどこに停めたんだろうと思います。荷物が多かったので、とりあえず必要最小限の荷物だけを持って体育館に向かいました。

―避難所の様子はどうでしたか?

(但野)体育館の入口はごった返していました。係の方が教室も開放していると案内してくれたので、私たちは教室へ向かいました。教室の中は、机が後ろに下げられていて、床にはござが敷いてありました。持ってきた毛布を敷いて、まず子どもたちを座らせました。すでに20名ほどがその教室にいました。赤ちゃんと子ども、犬を連れていた家族が1組いましたが、子どもが騒いだり、犬がほえたりということはなく、みな静かに過ごしていました。うちを最後にその教室に入ってくる人はいませんでした。小学校の校長先生と先生も見回りをされていました。

―避難所に来てどうでしたか?

(但野)まず安心しました。避難所に無事に到着できてよかったという思いと、一晩過ごす場所もなんとか確保できたという思いで、ほっとしました。どうせ眠れない夜を過ごすのであれば、身の危険がない分、避難所の方が安心です。

―どのように過ごされ、いつまで避難所にいたんですか?

(但野)テレビやラジオはついておらず、みなスマホを見ていました。電源を確保できている安心感もあったのだと思います。私は停電にそなえ、最低限の連絡をし、スマホの電源を切りました。
深夜0時半くらいに見回りの人が来て消灯。いた人みんな横になりました。みな十分なスペースは確保でいていました。ただ、うちは子ども用の毛布1枚しか持ってきてなかったので、私と夫はござの上にそのまま横になりました。こどもたちはすっかり寝てしまったが、私は横になってはみたものの背中は痛いし、枕はないし、底冷えして寒いし、周りのいびきがうるさかったりで寝つけなかったです。それでも気づいたらうたたねしていて、ふと目が覚めたら、隣の人が子どもに毛布をかけてくれていました。子どもとお年寄り優先に毛布が配られたらしく、隣の人が気を利かせてうちの子のために毛布を確保しておいてくれていたんです。
明け方3時半過ぎ、夫が雨も弱くなり帰り始めている人がいるというので、子どもたちを起こし、荷物をまとめて帰宅する準備をしました。教室を出たところで、市の職員から避難者名簿(代表者の名前と避難してきた人の人数)を記載するように言われ、記載し、帰宅しました。幸い、家の周辺に被害はありませんでした。

今回の避難経験から得た教訓

―今回避難してみて、得た教訓があったら教えてください。

(但野)我が家としては、これから同じようなことがあった場合には早めに避難所に避難するという方針が固まりました。暗くなってから移動するのは危ないし、それに今回はまだ道路も冠水せずまだ通れたのでよかったのですが、最悪道路が冠水してしまったら避難したくても出来なくなるので。
あと持ち物ですが、これらも持って行けばよかったと避難所に着いてから思ったものがありました。

持っていけばよかったと思ったもの

・毛布(大人用も)
・防寒着(思った以上に寒かった)
・エアマット(登山用品やキャンプ用品)
・室内履き(廊下が濡れていた)
・耳栓
・マスク(夫は風邪をもらって帰ってきました。それとすっぴんだったので気にしなくて済むように)

もし長期化したら必要だと思ったもの

・ウェットティッシュ
・体ふき・汗ふき用ウェットタオル
・子どもの替えの下着、靴下
・カイロ(冬の場合)

今回の経験を活かし、よかったことは次回も実践し、足らなかったことは改善しようと思います。しかし、今回は土曜日の夜、家族一緒にいるとき、しかも災害が起こる予想もついていましたが、地震のように突発的におこる災害に対して、十分な備えができているのだろうか、適切な対応が取れるのだろうかという危機感を持ちました。特に、家族がバラバラで過ごしているときに起こってしまったどうしたらいいのか・・・今後、夫と話し合いたいと思っています。

―転入女性へのメッセージはありますか?

(但野)福島だけでなく、日本全国どこにいても、いつ災害に巻き込まれるかは分かりません。特に地理感覚のなく相談できる知り合いも少ない私たちのような転入女性は日頃の備えは大切です。今回は、tentenで繋がっているメンバーもいたので、一人ではないという安心感がありました。tentenをうまく活用して知り合いを作り、お互い声を掛け合えたらいいと思います。

まとめ

今回避難所へ避難すると決めた決定打は、ご近所さんや知り合いがすでに避難を始めていたからだった但野さん。私たち転入女性はなかなかそこを相談できる人もいない場合もあります。しかしそんな時は避難するかしないか迷ったときは、周りの様子を伺うより、早めに避難したほうがいいと但野さんはお話ししてくれました。
今回は避難所に避難した方のお話しを聞きましたが、避難も色々な方法があります。早めに実家に帰省する、安全な場所にある知り合いの家に行くなど・・・今後はそういった避難方法を取った方の経験談も掲載していきたいと思います。自分たちが一番取りやすい避難方法を普段から家族で話し合い、決めておくことは大切です。是非その参考にして下さい。

SHARE

お友達に情報をシェアしよう

FOLLOW

イベント情報や福島での暮らしに役立つ情報の配信しています。
福島転入女性のコミュニティーに参加しませんか?

関連記事

記事を探す

PageTop