遊ぶ福島に転入予定の方へ

気軽に!オールシーズン楽しめる!福島アウトドアLIFEのススメ(移住セミナー開催報告)

2023年2月10日、オンラインで福島移住セミナーが開催されました。テーマは、「気軽にオールシーズン楽しめる福島アウトドアLIFEのススメ」。
福島に興味を持って、生活のイメージが湧いたら、次は福島をどう楽しむか。都会では味わえない福島ならではの楽しみ方がそこにはきっとある!
生活の場と自然が近い福島だからこそ実現できる、手軽なアウトドアについて、3人にそれぞれお話をうかがいました。
登山やジョギング、トレッキングなどを楽しむ神奈川県出身の阿部加奈子さん、夏も冬もキャンプを楽しむ和歌山県出身の久保田裕美さん、スキーやスノーボード、SUP、ロードバイクなどアクティビティを楽しむ栃木県出身の長友海夢さん。それぞれ、福島をどう楽しんでいるのでしょうか。
(聞き手:一般社団法人tenten代表 藤本菜月)

福島は生活圏とアウトドアの場が近い

阿部加奈子さん

(阿部)ずっと東京にいたのですが、福島市に住むきっかけは、コロナ禍を機に友人が地方移住するのを見て羨ましく感じたこと。同時期に、職場で福島への赴任を募集があり、いい機会だと夫に相談したところノリノリで賛成してくれました。2022年4月から1年間の予定で、夫は東京に残して単身赴任で福島市に引っ越してきました。
福島では職場と住居が近いこともあり、これまで通勤に使っていた時間を朝のジョギングに充てています。毎朝3㎞・30分ほどジョギングしてから仕事に行っています。
春は桜が咲いていたり、美しい吾妻連峰が見えたり、朝焼けの美しさに感嘆したりと、毎朝のジョギングだけでも「うわぁきれい!」と声に出してしまうほどの景色を楽しむことができています。

久保田裕美さん

(久保田) 私は和歌山県で生まれ育ち、大学も仕事も関西だったため東北・福島とはご縁がありませんでした。夫が転勤族のため、2019年4月に福島県郡山市に転入、2021年末からは再び転勤で熊本県に引っ越しました。
福島では、まるで別荘だといわれるほど通い詰めたお気に入りのキャンプ場と出会い、以来、毎週のようにキャンプをするようになりました。さらに、東北にいるうちにということで雪中キャンプをするための装備を揃えるなど、楽しんでいました。

長友海夢さん

(長友) 生まれは栃木県小山市ですが、福島県との関りは小さいころからあって、アルペンスキーや競技スキーをしていた関係で、練習拠点として磐梯山、猪苗代周辺エリアに親しんでいました。猪苗代の小学校に通っていたこともあり、栃木、福島、山形、東京、名古屋と進学や就職で移り住んだのち、3年前に猪苗代に移住しました。
移住の理由は、会社員時代に自分の理想のライフワークスタイルについて考えたところ、冬はスキーができて夏はウィンドサーフィンができる猪苗代に思い至りました。2020年4月に移住して地域おこし協力隊として活動しつつ、2022年7月に株式会社いなびしという会社を立ち上げて猪苗代湖の水環境保全や飲食事業に取り組んでいます。

(藤本) 福島らしいアウトドアライフについて考えると、生活圏とアウトドアを楽しめる場所が近いというのが特徴的だという意見がありました。そこで、どんなふうに生活の中にアウトドアを取り入れているのか、「ある一日」という形で紹介していただきます。

生活と自然の距離が近いからこそ過ごせる1日をご紹介!

人工物を見ずに過ごす休日はストレスフリー

(阿部) 夏の日の過ごし方を一例として紹介します。

わたしはひとりで福島に来ているので、世界を広げたいと思って、約3年前に福島市にできた吾妻山麓ワイナリーで畑仕事のお手伝いをしています。ワイナリーの近くにある高湯温泉の奥に不動滝があるので、お手伝いの前に行きました。駐車場から不動滝まで片道20分ほど山道を歩いて、滝を眺めながら朝ご飯のおにぎりを食べて、そのあと9時からブドウ畑の畑仕事のお手伝いをしました。広い空の下でブドウの蔦を支柱に這わせたり、草刈りをしたり、休憩時間にスイカを食べたりしているうちに一日はあっという間に過ぎていきます。
17時に帰宅して、シャワーを浴びたら自転車で往復10㎞、この日、3年ぶりに開催された花火大会に出かけました。
福島市のまちなかに住んでいますが、自然にあふれた景色の中で過ごせます。東京では、10km圏内はビルや高速道路など人工物がばかりが目に入ってきて、広い空を見る機会がなかなかありません。自然は毎日見ていても、変化があって飽きないですね。福島は東京から新幹線で1時間半という距離にも関わらず、自然の中で過ごしている感覚でいられるのでストレスが少ないです。

(藤本) 朝から3つイベントを楽しんでも、夜の8時には家でご飯を食べることができるんですね。

(阿部) 秋のある一日としてご紹介するのは、安達太良山の表登山ルートで登った日のこと。この日は南側の登山口からスタートしたので、家からは50kmぐらい、車で1時間弱の距離です。

下山は午後3時で、近くのキャンプ場フォレストパークあだたらの日帰り温泉に入って帰ってきました。そのあと、図書館に本を返して、食材を買って、料理をして10時には寝てしまいました。この次の日も霊山という山に行って、2日とも山で過ごしました。

1週間キャンプ場で。途中で仕事にも行ける気軽さがポイント!

(久保田) わたしは2021年の秋のとある1週間をご紹介します。


シルバーウィークと有給休暇を使って7泊8日のキャンプをフォレストパークあだたらというキャンプ場でしました。このキャンプ場は、大玉村というところにあって、福島市からも郡山市からも車で40分くらい。家から近いため、当日の朝から準備を始めても、お昼には設営を始められるのがポイントです。実はこのキャンプ中に仕事で急用が入ってしまい自宅に戻る必要があったのですが、それほど遠くないのでいったん帰宅してまたキャンプを続けることができました。市街地から近いので、キャンプ中に食材が足りなくなっても、ふもとの本宮市にあるスーパーマーケットまで片道30分ほど。買い出しもしやすく便利です。
一番の魅力は炊事棟でお湯が出ること。お湯が使えるキャンプ場はとても少ないのです。食器や網についた油分を冷たい水ではなかなか洗い落とせませんが、お湯が使えるので、家に帰ってから洗いなおす手間が省けます。
温泉もあるので、宿泊者は決められた時間内であれば何度でも入れるのも魅力のひとつです。このほか、わたしがとても心強いと思えるのが、施設の方の巡回頻度が高いことです。消灯時間を過ぎても騒いでいるような人たちに注意してくれるので、利用者同士のトラブルが起こりづらいと感じます。
最終日は12時に撤収したのですが、13時には家に帰れるので、膨大な量の洗濯をしたり、テントが濡れていれば干しなおしたりできるのも、近いからこそできることです。

年間通して楽しめる。オールシーズン、毎日が夏休み・冬休み

(長友) 猪苗代は家から車で10分ほどでスキーや登山ができる磐梯山や、猪苗代湖に行けます。ワーケーションをする方も増えており、湖でのアクティビティが一通りできるリゾート・観光地です。東京からのアクセスも良く、東京駅から新幹線で郡山駅まで約1時間半。そこから在来線で猪苗代まで30~40分です。新宿バスタから高速バスだと、安ければ3000円ほどです。


僕のとある一日は、夏はSUP。猪苗代湖だけでなく、裏磐梯山にたくさんの湖があるので、朝起きて朝日を見ながらSUPをします。そのあと朝食をとって、事務作業がある日は仕事。それから、その日のコンディション、たとえば風がある日はウィンドサーフィンを猪苗代湖でして、風がない日は裏磐梯でバス釣り。ロードバイクで走ったりもしています。お昼はデイキャンプでキャンプ飯を食べることもあります。
夜は友達のゲストハウスでバーベキュー。福島県は有名な酒蔵の日本酒やクラフトビールがたくさんあるので、お酒を飲みながら旅人や仲間と交流しています。


冬は、車で10~15分くらいでスキー場に行けます。リフトが8時半ぐらいから動くところが多いので、ゆっくり起きて、午前中のいちばんコース状態のいい時に滑って帰ります。その後、猪苗代周辺のお洒落なカフェやランチに立ち寄ってから、家のこたつで休憩や仕事をします。仕事に疲れたら、猪苗代湖周辺でブームになっているテントサウナに入ります。
夕食後は雪の中で焚火をしながら地酒を呑んでいます。ワーケーションをする人はこういうスケジュールを組んでいる人が多いような気がします。

(藤本) 行きつけのスキー場ってどこですか?

(長友) スライドで紹介しているのは猪苗代湖が一望できる猪苗代スキー場です。なんと、年会費無料の「いなスキ!クラブ」に入会すると平日は無料、休日は半額でリフトに乗って滑ることができます。このほかにも、沼尻スキー場というところは初心者をターゲットにしているので、ファミリーにもぴったりです。緩い斜面も多くて、子どものそり遊びなどもできます。

(藤本) スケジュールの中に「少しだけ仕事」とありますが、これは平日ですか?

(長友) スキー場が無料で滑れるのは平日なので、スキーに行くのは平日です。土日は人が多くて、あまり人込みで遊ぶのは好きではないので、人が少ないときに遊んでいます。

(藤本) 住んでいるからこそですね。車でスキー場まで行くのは怖いという人は、福島駅や郡山駅からシャトルバスが出ていたりするので、それを利用してもいいかもしれません。

福島ならではのアウトドアライフとは

参加者から事前申し込み時や当日のチャットでいただいたご質問にもゲストにお答えいただきました。

(藤本) ブドウ畑でのお手伝いは、どうやってつながりを作ったのですか?

(阿部) 私の場合は直接メールをして、何かお手伝いできることがあればボランティアさせてもらえませんかと。それから、少しずつ手伝わせてもらう範囲を広げました。

(藤本) 福島と熊本のキャンプ場の差はありますか。

(久保田) 福島県と熊本県の差というよりも、個々のキャンプ場の差だと思います。熊本でも有名・人気のキャンプ場に行きましたが、料金、環境、居心地、設備などの総合点でフォレストパークあだたらを越えるところに出会えていない気がします。
あとは肌感覚ですが、福島の方がいい薪を入手しやすい気がします。雪中キャンプでは薪ストーブを使うのですが、郡山にいたころはホームセンターでもナラの立派な薪が買えましたが、九州ではなかなかそのレベルのものに出会えません。

(藤本) 福島は果樹農家さんが多いので選定した枝を薪ストーブにしたい人とのマッチングとか面白い取り組みとかもありますね。
子どもと一緒にキャンプやアウトドアを楽しみたいという方もいます。tentenスタッフの西村さんいかがですか。

(西村) わたしは福島市の北にある伊達市の梁川町に住んでいますが、そこから近い伊達市の霊山というところの「霊山こどもの村」によく行っています。

(藤本)湖のある所に住んだことがない方から「湖があれば海はいらないですか」という質問が来ています。

(長友) サーフィンをしたい人であれば、湖はあまり波がないので海の方がいい。ただ、湖のいいところは、塩で体がべたべたにならない。沖に流されてしまうこともそれほどないというのもいいところです。
猪苗代は大きなスーパーやドラッグストアもあるので生活に全く困らないんですよ。しかも、位置的には福島市、郡山市、会津若松市と、大きな市に囲まれているから都会的な要素もあって、遊びに行きたければ行ける。アウトドアと両方楽しめます。

(藤本) 福島ならではのアウトドアというのはどうですか。

(長友) 夏は猪苗代湖周辺はたくさんのアクティビティを楽しめるし、秋には雪と紅葉をいちどに楽しめるタイミングがあります。冬の時期は裏磐梯に行くと桧原湖が凍っていて、氷に穴をあけてワカサギ釣りができるかな。
夏も冬も楽しめるというのが福島ならではかもしれません。オールシーズン毎日が夏休み・冬休み。そんな暮らしが日常にあります。

(阿部) 福島ならではというのは海も山も楽しめることではないかと思います。新地町という浜通りの北側、宮城県に隣接した町に鹿狼山という山があります。登りやすい山なので、家族で登山した後に登山口の温泉に入って、港の方で海鮮丼を食べるという遊び方もあるかと思います。福島市からも1時間ぐらいで行ける場所です。
浜通りはいま震災復興で公園を整備していますが、新地町にはパンプトラックというキックボードやスケートボードを楽しむ施設もあって、みるだけでも楽しいので、行く機会があればぜひ。キャンプ場もあるし、サーフポイントも多いのです。

移住の目的は人それぞれ。福島県はOwn Way(オウン・ウェイ)を応援(オウエン)する

最後に、「福が満開、福しま暮らし情報センター」移住相談員・新妻さんと、福島県地域振興課の橋本さんから、それぞれの移住支援について紹介がありました。

(橋本)「ふくしまは、あなたのOwn Way(オウン・ウェイ)を応援(オウエン)します」。皆さんそれぞれの方法があると思いますので、それぞれに適した方法で移住支援をしたいと福島県は思っています。不安に思うことがあればぜひご相談ください。

福島県の移住サポートをご紹介します。

①福島県関係人口ポータルサイト「ふくしまと関わるRoom!
福島県としては初めての関係人口のポータルサイトで去年9月末に開設。
福島県のキーパーソンの活動を知る入り口として、地域の人、もの、場所に関する情報を集約したサイトとなっています。特徴は検索のカテゴリが「買う」「訪れる」「住む」「交流する」に分けているため、このカテゴリから検索することができます。サイト内に掲載されているキーパーソンにこのサイトから直接メッセージを送ることも可能です。また、この掲載されているキーパーソンによるYouTube配信を月に2回しています。

②福島県移住ポータルサイト「ふくしまぐらし。
移住者の声や、仕事や住まいについてのポータルサイト。イベントのタブの中に、福島県が主催するセミナーやイベントはここに載っていますので、ご覧ください。LINEの公式アカウントもありますので、セミナー情報を発信することも多いのでぜひ登録を。

ふくしまファンクラブ
観光情報などを発信しています。

ふくしまwith youお試し移住村

(新妻)
東京の有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」という、全国の44都道府県、1政令市の移住相談ができるというNPO法人があって、その中に福島県の相談ブース「福が満開、福しま暮らし情報センター」があります。
移住相談員3名と2名の就職相談員が常駐しており、福島県の公式の相談窓口となっています。5人全員が福島県の出身ですので、お気軽に相談にお越しください。
Uターンも、縁のない方の移住相談も受け付けています。移住というと大変かもしれませんが、福島に興味を持った人ならどんな方でも、電話、メール、対面、オンラインなど、できる限りの形で相談対応しています。興味があればお気軽にお問い合わせください。

まとめ

どれほど魅力的に見えても、住んでみないとその本当の魅力は分からない。逆もしかり。住んでみると違和感があるかもしれない。
そういうミスマッチをなくすために、さまざまな制度や場が用意されています。
そして、ほかの場所から移り住んで、その土地に住んで、その土地を目いっぱいに楽しんでいる人がいます。そういう人の声、楽しみ方を知って、魅力を知り、楽しみ続けることができればミスマッチの違和感は起こらないはず。
四季折々、さまざまな楽しみ方ができるのが福島県。その魅力を存分に楽しめますように。

(福島の暮らしの情報を発信するサイト「tenten Fukushima」ライター)

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tentenでは転入先の暮らしに少しでも早く慣れるように、そして思う存分楽しめるようにFacebookグループで福島転入女性のためのゆるいコミュニティを立ち上げました。
すでに住んでいる転入者から福島の情報を教えてもらったり、仲間づくりに役立ててください。
※2024年7月現在約920名が参加しています。

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