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tentenインタビューvol.12 阿部由香さん~子どものため、転入と同時に大胆なキャリアチェンジ!~

福島市

新しい土地へ転入するときの悩みのひとつが、自身の仕事ですよね。
今回お話を伺った阿部さんは、福島への転入とキャリアチェンジを同時に果たし、新天地の福島に転入してすぐ書写教室の先生をはじめた方。
教室運営の準備や、最初の集客の方法、新しい土地で教室をやりたい方に向けたアドバイスなどを伺いました。
新天地で教室を開きたいと思っている方、必見ですよ。

▲阿部由香さん 神奈川県出身。現在は福島市庭坂在住。2児の母。夫の実家に同居するため、長女が小学生にあがるタイミングの2020年に、東京から福島へ転入した。転入と同時にキャリアチェンジし、公文書写の先生をスタート。教科は「ペン習字」「かきかた」「筆ペン」「毛筆」の4教科。2022年1月現在、福島市大町と福島市森合町で公文書写の教室を開いている。現在は幼児から大人まで幅広い年代の生徒さんが学習中。

子どものために大胆なキャリアチェンジ!

人材育成インストラクターとして全国を飛び回る日々

福島に転入する前は、東京でお仕事をされていた阿部さん。ナレーションや声のお仕事をされていた経験を生かして、個人事業主として人材派遣事務所に登録。様々な企業に人材育成・支援のプロとして派遣されていました。
全国を行き来する機会も多かったため、代わりはきかず、急には帰れない現場が多かったといいます。そこで阿部さんは大胆なキャリアチェンジを考えはじめます。

子どもが産まれてからは、何かあったときは同居の母にお願いしていました。でも「この働き方でいいのかな?」といつも思っていて。自分で思うように動けて、子どもたちもケアできる、そして子どもたちのためにもなる仕事はないかなと考えていました。

公文書写との出会い

▲大町教室の公文書写の看板

阿部さんは東京で、子どもにかきかたを習わせるため、公文書写に通っていました。

私自身も一緒に習っていたのですが、とっても楽しくて!子どもだけじゃなくて、大人も、祖父母の代まで一緒に通える教室ってなかなかないなと思いました。

生涯学習の楽しさを多くの人に伝えたいと思い、書写教室の先生を目指して学習をはじめました。阿部さんが先生を目指したのは、「この教材やサポート体制なら努力すれば自分にもできそう」と感じたからだそうです。

東京で教室を開くはずが…

▲インタビューを受ける阿部さん

当時住んでいた東京都品川区で書写教室を開こうと決めた阿部さん。先生を目指して学習中に、物件のリサーチも進めていました。そんな中、突然旦那さんから福島への引っ越しの相談を受けます。

「えっ?なんで今!?」って思いましたね。すぐには答えを出せませんでした。

しばらく悩んだ阿部さん。でも、当時は長女が年長、次女が4才。福島に行っても、今ならまだすぐに馴染めるだろうと判断しました。子どもたちのタイミングを優先し、「福島で教室を開設しよう」と気持ちを切り替えることに。
指導者になるための学習と資格の習得は、転居までの約1年の間に必死に終えられたそうです。

福島で教室開設!苦労したことは?

遠隔地の福島で教室探し

全く土地勘がない福島での会場探し。Googleマップやネットでの情報をもとに開設地を検討しました。たまの福島帰省の際は、市役所に相談に行ったり、教室候補の近くを歩いてみたりして、途切れ途切れに準備を進めていったそうです。会場探しと転居の準備は並行して進め、新幹線で何度も福島に通いました。

最初の教室は、市から紹介してもらった「福島テルサ」の会議室を借りて開設。でもすぐにコロナの影響で「福島テルサ」も全館休館に。そのあおりを受けて、自身の教室も休業せざるを得ない状況になってしまったのです。

さらに、貸し会議室は、毎回教室で使う道具を持ち込まなければならないのも大変でした。賃貸の物件の方が、圧倒的に楽だと思ったんです。

そうして、やっとの思いで見つけた大町の賃貸物件を借りられることになり、一安心。自分の拠点ができました。

▲大町教室の室内

最初の集客は「足で稼ぐ」

ついに2020年3月に教室を開設。でもまだ生徒さんはごくわずか。
阿部さんは、公文エルアイエルのサポートを活用しながら広報活動を行いました。公文で教室を開設する場合は、バックアップをしてもらえます。

公文エルアイエルで公式チラシを作ってもらえたので、とてもありがたかったです。

そのチラシは、2020年2月頃から大町周辺へポスティングしていました。1軒1軒、自分で配って歩いたんだそうです。
公文エルアイエルのサポートで新聞折り込みチラシも入れてもらえたのですが、ターゲットである若者層はあまり新聞を読んでいないと考え、他の方法も検討しました。
そこで、阿部さんは有料ネット広告の「エキテン」の利用を開始。コロナ禍で頻繁に情報が変わっても、臨機応変に対応ができるといいます。

若い方たちはネットやSNSの方が情報源として慣れているので、ネット中心の情報発信に切り替えました。

そんな中でも、アナログなチラシのポスティングは続けているといいます。生徒さんの中には蓬莱(大町教室まで車で約20分)から来ている方も。それを知ってからは、近隣に限らず広範囲にポスティングをしているそうです。多いときには1か月で2,000部を自分で配ってまわるときもあるんだそうですよ。

地道な広報活動を続けて、「生徒数も増えて、認知度が上がってきたな」と阿部さんが実感したのは2020年末頃のこと。開設から9か月ほど経った頃でした。

▲生徒さんの作品をカレンダーに
▲生徒さんの作品をカレンダーに

今後の目標

書写は生涯続けられる学習。書写を、「自分に自信をつける1つのツール」として使ってもらいたいと阿部さんは考えています。

ゆくゆくは、「書写なら公文教室に行こう」と多くの方に思ってもらえるようになることが目標です!

教室を開きたい転入女性へ4つのアドバイス

1:なんでもいいので地元のコミュニティに入ってみよう

阿部さんは、地元の情報を得るために、何か1つでもいいのでコミュニティに参加することをおすすめしています。

私の場合は、子どもたちの小学校・幼稚園の係に手を挙げました。そのつながりで、地元の情報を得ることができています。

2:自分と競合する業種があるかどうかを調べよう

阿部さんの場合、転入前は公文書写の教室は福島市内に2軒しかありませんでした。公文エルアイエルと相談しながら、開設場所を探したそうです。

公文書写教室はネットで調べられましたが、福島市の書道教室は、インターネットで調べてもあまりヒットしませんでした。看板すら出していない教室も多いので、競合がどれくらいいるのかわからないままのスタートでした。

3:余裕があるなら半年くらい現地に住んで様子をみよう

阿部さんは「福島ってこういうところなんだ」と、1年ほど経った頃にやっとわかりはじめたそうです。その土地のことをある程度わかってからの方が、理想に近い形で教室開設ができるといいます。

阿部さんが思う「福島ってこういうところ」

  • 私の体感ですが、冬はみんな早く家に帰りたがる傾向。逆に雪解けの春頃には開放的になり、無料体験の反応も良いです(笑) 
  • 「書初め展」や「七夕展」があるからか、福島では毛筆(習字)がとても人気。「書き初め展への土台として、基礎を身につけられます」と伝える事もひびくようです。東京で私が教室に通っていた頃は、人気の教科の偏りはありませんでした。
  • 幼稚園は水曜日に早帰りが多い、この地域では〇〇の習い事が人気で何曜日が多い、などの情報も、曜日設定の際に重要です。
  • 送迎文化。車を使った家族単位での行動が多い。そのためか親子のつながりが特に強いと感じます。東京では、子どもが一人で行動することも多いので、ギャップを感じました。
  • 福島の習い事の最優先事項は「駐車場」!また、会場の近くに大きなスーパーやドラッグストア等があるかどうかも重要です。その理由は、お子さんが学習中に保護者さんが近隣で買い物を済ませることができるから。東京で教室の会場を探すなら「駅近」がマストですが、福島はそうではありませんでした。

4:必ず「事前に」補助金の申請をしよう

福島県や市では、移住者向けの助成金や補助金制度があります。阿部さんもその制度を一部利用しましたが、教室を開設した後に自身が対象となる補助金があったことに気づきました。窓口に出向き、対象にならないか確認したところ、「事前に申請しないと補助金は出せない。教室開設後に補助金を出した前例がない」と断られてしまい、とても悔しい思いをしたそうです。

移住相談窓口等では、移住に向けて決まっている具体的な情報を、相談員さんに全て伝えましょう。そして利用できる補助金がないか片っ端から調べてもらいましょう。「こんな情報、必要かな?」と思うような情報でも、とにかくなんでも言ってみた方がいいです!

まとめ

いかがでしたでしょうか。
阿部さんが特に重要視していたのは、「なんでもいいから1つでもコミュニティに参加してみること」。孤独にならないため、自分の居場所を作るためにも必要だと阿部さんはいいます。
教室を開設するしないに関わらず、転入した全ての方に当てはまるのではないでしょうか。
新天地で教室を開くためのアイデアが満載の阿部さんのお話。ぜひ参考にしてみてくださいね。

【教室情報】
▼福島大町教室
福島県福島市大町8-20-4F
水 14:00~18:00
土 9:00~13:00
指導者:阿部 070-5016-8770
https://www.kumon.ne.jp/lil/search/classroom.php?no=5700225

▼森合自治会館教室
福島県福島市野田町上谷地2森合団地自治会館
木 11:00~13:00
木 14:00~18:00
指導者:阿部 070-5016-8770
https://www.kumon.ne.jp/lil/search/classroom.php?no=5700241

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